最新記事

格差社会

世界の富裕層上位2100人が最貧困層46億人より多くの資産を独占

2020年1月20日(月)12時52分

国際非政府組織(NGO)オックスファムは、スイスで年次会議「ダボス会議」が開かれるのを前に報告書を出し、世界の富豪上位2153人が2019年に独占した資産は、最貧困層46億人が持つ資産を上回ったと指摘した。写真はカイロで昨年12月撮影(2020年 ロイター/Amr Abdallah Dalsh)

国際非政府組織(NGO)オックスファムは20日、スイスで年次会議「ダボス会議」が開かれるのを前に報告書を出し、世界の富豪上位2153人が2019年に独占した資産は、最貧困層46億人が持つ資産を上回ったと指摘した。

また、世界の女性による毎日の労働のうち、無報酬、あるいは正当に評価されない労働の総時間は125億時間に上ると推計した。

女性の無報酬労働による世界の国内総生産(GDP)に対する年間押し上げ効果は10兆8000億ドル以上で、IT業界の3倍以上だとした。

オックスファム・インディアのアミタブ・ベハール最高経営責任者(CEO)はロイターとのインタビューで「経済の隠れたけん引役は実際は、女性が無報酬で行っている(他人の)ケアであることを強調する必要がある。この状況は変わるべきだ」と述べた。

同氏は、世界の貧富の格差を是正するため、各国の政府は先ず、富裕層による納税を徹底させたうえで、税収を使ってきれいな水の確保や医療サービスの充実、教育機関の質向上に取り組むべきだと述べた。

「世界では30カ国以上でデモが起きている。デモ参加者は格差を受け入れるつもりはない、現在の状況下で暮らしたくないと訴えている」と語った。

[ナイロビ 20日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200121issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月21日号(1月15日発売)は「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集。ソレイマニ司令官殺害で極限まで高まった米・イランの緊張。武力衝突に拡大する可能性はあるのか? 次の展開を読む。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日産社長、ホンダとの協業協議「加速している」

ビジネス

英インフレ上振れも、想定より金利高く維持する可能性

ビジネス

ソフトバンクG、1―3月期純利益5171億円 通期

ビジネス

独ZEW景気期待指数、5月はプラス転換 予想も上回
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 6
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 7
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 10
    ハーネスがお尻に...ジップラインで思い出を残そうと…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 8
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 9
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中