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ナスダック、中国の中小企業IPOを事実上制限 株式をインサイダーに留め置き「魅力に欠ける」

2019年9月30日(月)10時42分

米ナスダックが、中国の中小企業の新規株式公開(IPO)について、上場ルールの変更や承認手続きを遅らせるといった手段を通じて実質的に制限しつつある。写真はニューヨークのタイムズ・スクエアにあるナスダック。7月26日撮影(2019年 ロイター/Mike Segar)

米ナスダックは、中国の中小企業の新規株式公開(IPO)について、上場ルールの変更や承認手続きを遅らせるといった手段を通じて実質的に制限しつつある。届出書類や企業幹部、投資銀行関係者への取材などで明らかになった。

背景には、中国の中小企業がIPOに際して、米国の投資家ではなく、中国の投資家から大半の資金を調達する傾向が強まっていることがある。こうして上場された中国企業のほとんどの株式は、ごく限られた「インサイダー」の手元にとどまっているため、取引量が非常に小さく、ナスダックが取り込みたがっている多くの機関投資家にとって魅力の乏しい銘柄となっている。

例えば中国のオンライン薬局チェーンの111インクは、昨年実施したIPOで1億ドルを調達したものの、売り出した株は主に同社幹部の関係者が引き受けた、と最高経営責任者(CEO)がロイターのインタビューで明らかにした。

社会的影響力の大きい「インフルエンサー」の育成を手掛けるルーン・ホールディング、放課後教育事業のPuxin、ペット商品メーカーのドッグネス・インターナショナルといった中国企業も、過去2年間でナスダックに上場し、株式保有者は中国勢の割合が米国勢より大きいことが、関係者の話で分かっている。

米国と中国の貿易や先端技術を巡る対立が先鋭化している時期だけに、ナスダックによる中国企業のIPO規制は、両国の金融分野における衝突の表れという側面も持っている。

27日には、ホワイトハウスが米国の証券取引所において中国企業の上場廃止を検討中と報じられ、米上場中国企業株が急落した。

ただナスダックに近いある関係者は、上場ルール変更はホワイトハウスと協議した結果ではないと説明している。

ナスダックは昨年10月に上場ルール変更を提案し、先月に実施した。米法律事務所シフ・ハーディンに属し、中国企業にIPOを助言しているラルフ・ディマーティノ氏は「これらの中国企業のIPOが株式市場にもたらす低流動性と高いボラティリティを巡るナスダックの懸念は、昨年半ばから非常に鮮明になってきた」と述べた。

[29日 ロイター]


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