コラム

なぜ1人10万円で揉めているのか

2021年12月14日(火)12時03分

だから、どんなに批判があってもばらまき続けるのは、約束を守る、揚げ足をとられないようにすることがすべてなのである。

ちなみに、いまさらアベノマスク批判(というよりイチャモン攻撃)を岸田さんにしているが、岸田さんも、そんなの俺のやったことじゃないから知ったこっちゃない、まあたまには失敗する政策もありますよ、とでも言ってやればいいのだが、炎上を避けるためにはそれもできない。

アベノマスクを配ったのは、ネットで、韓国では配られているのに日本でなぜできない、日本は韓国以下だ、と炎上したために、右寄りの政権が意地でも配っただけであり、もとはと言えば、国民(一部の)のせいなのだ。

このようにして、愚かな政策は次々と繰り出されるのである。それは、政治家のせいでもあるが、根本は、ノリと雰囲気でしか投票しない、そして、何かを炎上させて喜ぶ、国民のせいなのである。

プロフィール

小幡 績

1967年千葉県生まれ。
1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現財務省)入省。1999大蔵省退職。2001年ハーバード大学で経済学博士(Ph.D.)を取得。帰国後、一橋経済研究所専任講師を経て、2003年より慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應ビジネススクール)准教授。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。新著に『アフターバブル: 近代資本主義は延命できるか』。他に『成長戦略のまやかし』『円高・デフレが日本経済を救う』など。

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