最新記事
シリーズ日本再発見

温泉だけでなく、温泉地の「すべて」が詰まったテーマパーク

2016年11月25日(金)15時27分
高野智宏

提供:大江戸温泉物語(すべて)

<東京中心の観光でも「温泉」をあきらめる必要はない。お台場の大江戸温泉物語は、外国人から「温泉、浴衣、日本食、祭りとすべてを楽しめた」と好評を博する元祖・温泉テーマパーク。日本人の家族連れにもお勧めだ> (上写真:祭りを疑似体験できるところも温泉テーマパークならではで人気の理由)

【シリーズ】家族で楽しむTOKYOナイトスポット

 日本を訪れる外国人観光客が楽しみにしていることは何だろうか。

 観光庁による「訪日外国人の消費動向」平成28年1‐3月期報告書によれば、「訪日前に期待していたこと」(複数回答)の1位は「日本食を食べること」。次いで2位が「ショッピング」、3位が「自然・景勝地観光」、4位が「繁華街の街歩き」で、5位が「温泉入浴」だ。

 ほぼ予想どおりの結果だが、同調査の「次回(の日本観光で)したいこと」(複数回答)という設問では、1位は変わらず「日本食を食べること」であるものの、「温泉入浴」がグンと順位を上げて2位に。「ショッピング」が3位、「自然・景勝地観光」が4位、「四季の体感」が5位と、訪日前後では異なる結果となっている。

 これは、東京などの首都圏を中心に観光スケジュールを組んだ場合、なかなか地方の有名な温泉地に出向く時間がなく、温泉への入浴を断念したからだと推測される。はるばる日本までやって来たのに、楽しみにしていた温泉を体験できなかったのであれば残念なことだ。

 しかし、東京中心の観光であっても、さらには強行軍のスケジュールを組みづらい家族旅行であっても、温泉をゆっくりと楽しむ方法はある。日中は観光を存分に楽しみ、その夜、近場の「温泉施設」を利用するというプランだ。日帰り温泉をはじめ東京都内には多くの温泉施設が存在しており、なかでも家族で楽しめる施設としてお勧めしたいのが、2003年に開業した"温泉テーマパーク"の先駆け、お台場の「大江戸温泉物語」である。

japan161125-2.jpg

「ザ・日本」とでも言えそうな趣のエントランス

 関東ではよく知られた施設だが、日本人であればいつでも地方の温泉地に行けるし、都内近郊には他にスーパー銭湯なども多い。実は大江戸温泉物語には行ったことがない、という人は少なくないかもしれない。

 それではもったいない。当然ながら本格的な温泉であるし、何より温泉に留まらない楽しみが詰まっている。ここはひとつ、外国人たちがこの温泉施設をどう楽しんでいるかを覗き見て、参考にしてみてはどうだろうか。

【参考記事】噂のロボットレストランは家族連れでもイケるらしい

13種類の風呂、16種類の店舗、11種類の夜店

「東京のお台場にありながら、当施設の温泉は地下1400メートルから毎分240リットルが湧出する、褐色の天然ナトリウム塩化物強塩温泉をひいています」と胸を張るのは、管理課広報担当の森田和裕氏。その効能は、神経痛から筋肉痛、冷え性に疲労回復などとされ、なかでも女性客からは美肌に効果的と好評を得ているという。

 また、お台場ならではの3万800平方メートルという広大な敷地に建てられた、宮型作りの趣のある屋舎の内部には、実に13種類(男女含め)もの風呂が用意されている。大屋根と赤富士が描かれた壁画が印象的な大浴場を筆頭に、巨岩により野趣溢れる演出がなされた露天風呂、マイクロバブルが血行を促進する絹の湯、さらには寝湯に足湯、岩盤浴と、心ゆくまで本格的な温泉を楽しむことができる。

japan161125-3.jpg

雰囲気たっぷりの大浴場。中央湯船の湯が地下から汲み上げた天然温泉。入浴マナーも浸透してきたため、最近では「外国人の方が入浴方法でトラブルになることは少なくなった」という

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

タイ裁判所、タクシン元首相の保釈許可 王室に対する

ワールド

NATO基金、AI・ロボット・宇宙技術に投資 防衛

ビジネス

米新興EVフィスカー、破産法適用を申請 交渉決裂で

ワールド

マレーシア、BRICSへの加盟準備中=メディア
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:サウジの矜持
特集:サウジの矜持
2024年6月25日号(6/18発売)

脱石油を目指す中東の雄サウジアラビア。米中ロを手玉に取る王国が描く「次の世界」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    新型コロナ変異株「フラート」が感染拡大中...今夏は「爆発と強さ」に要警戒

  • 2

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 3

    えぐれた滑走路に見る、ロシア空軍基地の被害規模...ウクライナがドローン「少なくとも70機」で集中攻撃【衛星画像】

  • 4

    800年の眠りから覚めた火山噴火のすさまじい映像──ア…

  • 5

    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…

  • 6

    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開する…

  • 7

    中国「浮かぶ原子炉」が南シナ海で波紋を呼ぶ...中国…

  • 8

    この夏流行?新型コロナウイルスの変異ウイルス「FLi…

  • 9

    この「自爆ドローンでロシア軍撃破の瞬間」映像が「…

  • 10

    水上スキーに巨大サメが繰り返し「体当たり」の恐怖…

  • 1

    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア

  • 2

    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車の猛攻で、ロシア兵が装甲車から「転げ落ちる」瞬間

  • 3

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思っていた...」55歳退官で年収750万円が200万円に激減の現実

  • 4

    新型コロナ変異株「フラート」が感染拡大中...今夏は…

  • 5

    米フロリダ州で「サメの襲撃が相次ぎ」15歳少女ら3名…

  • 6

    毎日1分間「体幹をしぼるだけ」で、脂肪を燃やして「…

  • 7

    この「自爆ドローンでロシア軍撃破の瞬間」映像が「…

  • 8

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 9

    カカオに新たな可能性、血糖値の上昇を抑える「チョ…

  • 10

    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア

  • 4

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…

  • 5

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 6

    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 7

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 8

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…

  • 9

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 10

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中