コラム

改正道路交通法は高齢者の免許更新をどう変える? 「サポカー限定免許」より必要なこと

2022年06月15日(水)20時25分

せっかく始まったサポカー限定免許だが残念な点が多い。運転技能検査が不合格の人が普通免許を限定すれば乗ってもいいという内容でも、購入補助や減税があるわけでもない。

サポカー限定免許よりも、今乗っている車両に速度制限を設ける、通勤時間を避けた日中や天気がいい日に限って運転する、スーパーや病院に行くときにだけ運転するといった条件を設定した方がいいのではないだろうか。

警察関係者に取材をしていて感じるのは、闇雲に運転免許証を高齢者から取り上げたいわけではなく、できるだけ長く運転してもらい、運転寿命を延伸させたいと考えている人が多いということだ。

佐賀県警は免許返納へのサポートを始めている。運転免許課にシルバードライバーズサポート室を設置し、免許更新のみならず返納後の相談も行っており、自治体との連携も見られる。

自分の身体能力の把握や運転スキルの見直しなど、ドライバーが自主的に運転寿命の延伸に努めることも必要だが、返納後の暮らしを地域が連携してサポートすることも大切だ。

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プロフィール

楠田悦子

モビリティジャーナリスト。自動車新聞社モビリティビジネス専門誌『LIGARE』初代編集長を経て、2013年に独立。国土交通省の「自転車の活用推進に向けた有識者会議」、「交通政策審議会交通体系分科会第15回地域公共交通部会」、「MaaS関連データ検討会」、SIP第2期自動運転(システムとサービスの拡張)ピアレビュー委員会などの委員を歴任。心豊かな暮らしと社会のための、移動手段・サービスの高度化・多様化とその環境について考える活動を行っている。共著『最新 図解で早わかり MaaSがまるごとわかる本』(ソーテック社)、編著『「移動貧困社会」からの脱却 −免許返納問題で生まれる新たなモビリティ・マーケット』(時事通信社)、単著に『60分でわかる! MaaS モビリティ革命』(技術評論社)

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