コラム

「AIがあれば英語は不要」と考えるのはあま過ぎる

2023年11月28日(火)16時00分

世界との付き合い方を覚えるには、留学や海外勤務を増やすしかない。政府も、留学を増やそうとしている。でも、1カ月の短期留学では意味がない。日本人が閉鎖的な群れをつくって、外国を「眺めてくる」だけで終わってしまうからだ。

ただ、アメリカの大学の学費は1年で500万円は必要。政府・企業が協力して大規模な奨学基金をつくる必要がある。そして遅くても大学3年生から就活を始めなければならない今の採用制度を改め、留学で学位・単位を取得した学生に別の採用枠をつくるのが一番効く。


日本は少子化で高齢化。社会保障、医療、防衛と、金はますます必要だ。1~2%の経済成長は必要なので、海外市場に出ざるを得ない。全員が「国際化」する必要はないが、世界に突進する人材は増やさなければならない。国際化は上から目線のお説教では進まない。「〇〇語ができればいいことがある」環境をつくるべきだろう。

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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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