ニュース速報
ワールド

北朝鮮で人権侵害続く、コロナ後に状況悪化=国連調査官

2025年06月20日(金)11時47分

 国連人権高等弁務官事務所のソウル事務所代表を務めるジェームズ・ヒーナン氏は、北朝鮮が人道に対する罪を犯したと結論付けた国連報告書から10年が経った今も、多くの人権侵害が続いており、いまだに解除されていないコロナ禍の規制によって状況が悪化しているという見解を示した。写真は北朝鮮の宣伝村・機井洞にある160メートルの塔に掲げられた北朝鮮国旗。韓国・坡州にある非武装地帯(DMZ)付近の都羅展望台から2018年4月撮影(2025年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[ソウル 20日 ロイター] - 国連人権高等弁務官事務所のソウル事務所代表を務めるジェームズ・ヒーナン氏は、北朝鮮が人道に対する罪を犯したと結論付けた国連報告書から10年が経った今も、多くの人権侵害が続いており、いまだに解除されていないコロナ禍の規制によって状況が悪化しているという見解を示した。

ロイターのインタビューに応じ、北朝鮮で処刑や強制労働、飢餓の報告が後を絶たないことに驚いていると述べた。

ヒーナン氏のチームは、国連調査委員会が2014年にまとめた北朝鮮における人権に関する調査結果に対する追加報告書を年内に発表する予定だ。

調査委の報告書は、北朝鮮が「組織的、広範かつ重大な人権侵害」を犯したとし、人道に対する犯罪に相当するとしている。

今年の報告書の結論はまだ確定していないが、ヒーナン氏はこの10年間、北朝鮮政府は一部の国際機関との関与を深める一方、国内で統制を強めるなど、まちまちだったと指摘。

「コロナ後の北朝鮮では人々の生活に対する政府の統制が強化され、自由が制限されている」と語った。

在ロンドン北朝鮮大使館はコメントを求める電話に出なかった。北朝鮮はこれまで人権侵害を否定し、国連や諸外国が人権を政治的武器として北朝鮮を攻撃しようとしていると非難している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イラン、欧州諸国の「破壊的アプローチ」巡りEUに警

ビジネス

英製薬アストラゼネカ、米国への上場移転を検討=英紙

ワールド

米EV推進団体、税額控除維持を下院に要請 上院の法

ビジネス

マネタリーベース6月は前年比3.5%減、10カ月連
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    あり?なし? 夫の目の前で共演者と...スカーレット…
  • 9
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中