中韓外相が会談、「困難」でも安定追求 日中韓首脳会談 中国側言及なし
中国の王毅共産党政治局員兼外相(写真)は13日、訪中している韓国の趙兌烈外相と北京で会談し、両国が直面する困難が増大する中、干渉されることなく協力関係を強化しなくてはならないとの考えを示した。1月撮影(2024年 ロイター/Andrea Verdelli)
Hyonhee Shin
[13日 ロイター] - 中国の王毅共産党政治局員兼外相は13日、訪中している韓国の趙兌烈外相と北京で会談し、中国と韓国はこのところの「困難」にもかかわらず安定した関係を追求しなくてはならないとの考えを示した。
趙氏の訪中は1月の就任後初めてで、韓国外相の中国訪問は6年以上ぶり。台湾やその他の地域的な問題を巡る緊張が高まる中、韓国外務省によると、王氏と趙氏は約4時間にわたり会談した。
<台湾>
中国外務省の声明によると、王氏は趙氏に対し、中韓関係は「困難と課題に直面している。これは双方の共通の利益ではなく、中国が望むものでもない」とし、「韓国が『一つの中国』の原則に沿って、台湾に関連する問題に適切、かつ慎重に対応し、中韓関係の政治的な基礎を強化することを期待する」と述べた。
韓国外務省が発表した声明には、王氏の台湾を巡る発言に関する言及はない。
<日中韓首脳会談>
韓国外務省によると、趙氏は王氏に対し「困難があったとしても、韓国と中国は関係を慎重に管理しながら協力を継続しなくてはならない」と言及。5月末にソウルで予定されている日中韓首脳会談に向け準備を進めていく意向を示した。
ただ、中国側の声明には日中韓首脳会談に関する言及はない。日中韓3カ国の首脳は前回、2019年に中国で会談している。
<北朝鮮>
趙氏は国連安全保障理事会の常任理事国として朝鮮半島の平和と安定のために建設的な役割を果たすよう求めたほか、中国国内にいる脱北者を北朝鮮に強制送還しないよう要請した。
<経済関係>
王氏と趙氏は両国の経済関係が相互発展の原動力になってきたとの認識で一致。供給網の安定確保などで協力を強化することで合意した。
王氏は、中韓は安定した関係を促進し、「干渉」を排除するために協力することを望むと言及。ただ、詳細は明らかにしなかった。