ニュース速報

ワールド

米高官「イランが譲歩撤回」と見解、核合意協議に暗雲

2021年12月05日(日)13時46分

 米国務省高官は、先月29日から行われている核合意を巡るイランとの間接協議について、イランが合意再建に向けて示していた全ての譲歩案を撤回する一方、他国による妥協は維持した上でさらなる要求を行ったと非難した。ウィーンで2019年7月撮影(2021年 ロイター/Lisi Niesner)

[ワシントン 4日 ロイター] - 米国務省高官は、先月29日から行われている核合意を巡るイランとの間接協議について、イランが合意再建に向けて示していた全ての譲歩案を撤回する一方、他国による妥協は維持した上でさらなる要求を行ったと非難した。

米高官は、経済制裁の緩和と引き換えにイランが核開発を制限するという合意を米国はなお復活させたいと強調しつつも、時間が足りないと記者団に指摘。

今回の協議は約5カ月ぶりで、6月に選出されたイラン反欧米派ライシ大統領の代表団とは初めてとなる。イラン前政権による交渉は4─6月に6回行われたが、ライシ師は大統領就任に当たり再協議の準備が必要だとしていた。

米高官は、イランがこの時間を利用して「挑発的に」核開発を加速させ、合意順守を監視する国連監視団を妨害したと述べた。

協議が決裂すれば、中国とロシアが経済的圧力を強めるかどうかは不明だとしながらも、中ロの立場が変化している可能性があるとも指摘。「彼らもまた、イランが譲歩を撤回し、さらなる要求を重ねた状況に驚いた」とし、外交的には失望感を共有しているとの見方を示した。

さらに、次回協議について他国は来週としているが、いつ再開されるか不明だと述べた。米当局者は、再開できなければ別の対応を検討するとし、可能性は低いが軍事的な選択肢も残しているとみられる。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、6月以降の数回利下げ予想は妥当=エストニア

ワールド

男が焼身自殺か、トランプ氏公判のNY裁判所前

ワールド

IMF委、共同声明出せず 中東・ウクライナ巡り見解

ワールド

イスラエルがイランに攻撃か、規模限定的 イランは報
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中