ニュース速報
ビジネス

ユーロ圏住宅ローン市場は「管理可能」、ECBが点検結果公表

2024年05月16日(木)13時06分

 欧州中央銀行(ECB)は15日、ユーロ圏の住宅ローン市場の点検結果を公表し、金利上昇による借り手の負担増大などの問題はあるものの、全体として「管理は可能」だとの見解を示した。仏パリで2020年12月撮影(2024年 ロイター/Charles Platiau)

Francesco Canepa

[フランクフルト 15日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は15日、ユーロ圏の住宅ローン市場の点検結果を公表し、金利上昇による借り手の負担増大などの問題はあるものの、全体として「管理は可能」だとの見解を示した。

ECBがインフレ抑制のため政策金利を過去最高水準まで引き上げたため、特に低金利局面で活況となったドイツなどの住宅価格が圧迫されている。また昨年6月時点で1兆4000億ユーロだった住宅ローン残高のうち、4120億ユーロ分は来年6月までに適用金利が大きく跳ね上がる公算が大きく「これは高金利に対応できない借り手にとって重大なリスクをもたらす」と指摘されている。

今回の点検では、貸し手の金融機関側がローン承認前にリスクを十分に検討していない実態も明らかになった。

例えば一部の国の銀行は、対象物件の評価額との見合いや、借り手の収入と返済額の比率に基づく融資限度を設けていなかったり、超過を前提に限度を運用したりしていた。

昨年6月までの1年間に組成されたローンの46.5%は融資額が物件評価額の80%を上回り、16.5%は評価額以上の融資額だったという。

21年6月から昨年6月の間では、実行されたローンのうち、借り手の返済額が収入の3割を超える割合も47%から53%近くに上昇している。

それでもECBは「全体の見通しは依然として明るい。居住用不動産はある程度の緊張にさらされているが、これは管理可能で、銀行は不安解消に向けて積極的に取り組んでいる」と指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

原油先物は続伸、イランがイスラエル攻撃準備との報道

ビジネス

インテル、第4四半期売上高見通しが予想上回る 株価

ビジネス

アップル、見通しさえず株下落 第4四半期は予想上回

ワールド

米裁判所、マスク氏訴訟の手続き保留を決定 大統領選
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米大統領選と日本経済
特集:米大統領選と日本経済
2024年11月 5日/2024年11月12日号(10/29発売)

トランプ vs ハリスの結果次第で日本の金利・為替・景気はここまで変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後はさらなる「倒産増加」が予想される
  • 2
    「まるで睾丸」ケイト・ベッキンセールのコルセットドレスにネット震撼...「破裂しそう」と話題に
  • 3
    幻のドレス再び? 「青と黒」「白と金」論争に終止符を打つ「本当の色」とは
  • 4
    脱北者約200人がウクライナ義勇軍に参加を希望 全員…
  • 5
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 6
    北朝鮮軍とロシア軍「悪夢のコラボ」の本当の目的は…
  • 7
    天文学者が肉眼で見たオーロラは失望の連続、カメラ…
  • 8
    中国が仕掛ける「沖縄と台湾をめぐる認知戦」流布さ…
  • 9
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 10
    自爆型ドローン「スイッチブレード」がロシアの防空…
  • 1
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 2
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴出! 屈辱動画がウクライナで拡散中
  • 3
    キャンピングカーに住んで半年「月40万円の節約に」全長10メートルの生活の魅力を語る
  • 4
    幻のドレス再び? 「青と黒」「白と金」論争に終止符…
  • 5
    2027年で製造「禁止」に...蛍光灯がなくなったら一体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語ではないものはどれ?…
  • 7
    世界がいよいよ「中国を見捨てる」?...デフレ習近平…
  • 8
    日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後…
  • 9
    「決して真似しないで」...マッターホルン山頂「細す…
  • 10
    【衝撃映像】イスラエル軍のミサイルが着弾する瞬間…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 6
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 7
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 8
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 9
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 10
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中