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インフレ低下の確信「以前ほど強くない」、金利維持を予想=FRB議長

2024年05月15日(水)05時34分

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は14日、インフレ率は2024年を通して低下し続けるとの見通しを示した。3月撮影(2024年 ロイター/Elizabeth Frantz)

Bart H. Meijer Toby Sterling

[アムステルダム 14日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は14日、米国のインフレ率は今後低下するとの見通しを示した。ただ、第1・四半期のインフレ率が予想を上回ったことを受け、こうした見通しに対する自分自身の確信は以前ほど強くないと述べた。

パウエル議長はアムステルダムで開かれた銀行関連のイベントで「インフレ率は月次ベースで、昨年の低水準に近い水準まで低下すると予想している」と述べた。ただ「こうした見通しに対する自分自身の確信は以前ほど強くないと言える」と語った。

ただそれでも、FRBが再利上げを迫られる可能性は低いとし、FRBは「忍耐強く」、現在の政策金利が最大限の効果を発揮できるようにすると改めて表明。「われわれが入手しているデータに基づくと、次の動きが利上げになる可能性は低い」とし、「政策金利は現行水準に維持される公算が大きい」と述べた。

この日に発表された4月の卸売物価指数(PPI)については、これまでの投入価格が下方修正されたことに言及した上で、「かなりまちまちな内容」だったと受け止めたと述べた。

FRBは昨年7月からフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%に据え置いている。

今年の経済成長率は約2%とFRBが見込む基調的な潜在成長率をやや上回ると予想。労働市場はやや緩和しているものの依然として堅調とした。

さらに、これらは全て移民の流入が後押ししていると指摘。移民によって昨年の労働市場の引き締まりが緩和し、消費者としても米経済に貢献したほか、昨年のインフレ緩和の要因としても「短期的にはおそらくプラスだった」との見方を示した。

また、FRBの独立性に対する議会の支持は依然として「非常に力強い」とし、トランプ氏が11月の米大統領選で再選した場合、FRBの独立性が脅かされるという懸念を退けた。

トランプ氏の側近らがFRBの独立性を弱める計画案を策定しているもようとの報道について、パウエル議長はトランプ氏の名前には言及せず、「最近報道されているような内容が示唆するほどその件について心配していない」と述べた。

上下両院の議員らとの対話を踏まえ、「両院とも独立したFRBへの支持が非常に強いと考える」と強調。「FRBは非政治的かつ超党派的な機関で、FRBが有する手段と経済に関する理解を駆使して最善を尽くしていると、議会で広く理解され支持されていると考える」と述べた。

ロイター
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