ニュース速報
ビジネス

政府・日銀が29日に5兆円規模の介入の可能性、過去最大に迫る 

2024年04月30日(火)19時52分

日銀は30日、5月1日分の当座預金残高の予想で、財政等要因が7兆5600億円の不足になるとの見通しを発表した。写真は財務省。2011年8月、東京で撮影(2024年 ロイター/Yuriko Nakao)

Noriyuki Hirata

[東京 30日 ロイター] - 政府・日銀が29日に5兆円規模の円買い介入を行ったとの推計が市場で出ている。日銀が30日に公表した1日の当座預金予想は民間予測から大きく乖離しており、29日のドル/円の乱高下の背景に介入があったことが示唆された。過去最大となった2022年10月21日の介入額5兆6202億円に迫る規模となる。

日銀は30日、金融機関の手元資金の総量を示す日銀当座預金残高で、5月1日は財政等要因が7兆5600億円の不足になるとの見通しを公表した。一方、セントラル短資など民間短資会社3社が予想する財政等要因の余剰・不足額は2兆0500億円─2兆3000億円の不足。介入額はその差額となる約5兆2600億円─5兆5100億円規模となった可能性があると市場では推計されている。

「日銀の数字との乖離をみる限り、為替介入をしていた可能性がある」と、セントラル短資の高浜陽介企画調査グループ次長は指摘する。

通常なら5月1日が決済日となる29日は国内が祭日だったが、ドル/円が34年ぶり高水準となる160円24銭に上昇した後、154円40銭に急落する場面があり、市場では、政府・日銀によるドル売り/円買い介入があったとの思惑が出ていた。

日銀が26日の金融政策決定会合で現状の政策を維持し、植田和男総裁が記者会見で円安に対して踏み込んだ発言をしなかったことで円売り地合いが強まった中で、一段の円安進行の阻止を狙った介入とみられる。

財務省は為替介入の有無を明らかにしておらず、毎月の介入実績を5月末(4月26─5月29日分)に発表すると説明している。

(平田紀之 編集:久保信博、橋本浩)

*情報を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB窓口貸し出し、「悪評」抑えるルール整備を検討

ワールド

中ロは相互支援強化すべき、外相会談で王氏が訴え

ビジネス

FRB当局者、インフレ低下持続か「判断は尚早」 慎

ワールド

インタビュー:ウクライナ、同盟国の支援加速・直接関
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 7

    ベトナム「植民地解放」70年を鮮やかな民族衣装で祝…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派…

  • 10

    服着てる? ブルックス・ネイダーの「ほぼ丸見え」ネ…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 9

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中