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FRB当局者、インフレ抑制をなお最優先に 市場変動は注視
米連邦準備理事会(FRB)の当局者らは26日、米国株の下落や海外市場での通貨の乱高下などグローバル市場のボラティリティーの上昇を高まりを注視しつつも、優先事項は引き続き国内のインフレ抑制だと述べた。6月撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)
[ワシントン 26日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の当局者らは26日、米国株の下落や海外市場での通貨の乱高下などグローバル市場のボラティリティーの上昇を高まりを注視しつつも、優先事項は引き続き国内のインフレ抑制だと述べた。
米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は、金融市場の変動が投資家の意思決定に影響を与え、ドルの価値が米国経済に影響を与えることに言及し、「そこには相互作用がある」と述べた。
メスター氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)での講演で、インフレ抑制には、対応が過剰な場合よりも、少なすぎる場合の方が代償が大きいと指摘。講演後の発言では、政策金利を設定する際、ドル高など世界的な要因を考慮するとの考えを示した。
アトランタ地区連銀のボスティック総裁は26日、英政府が示した新たな財政計画を受けポンドが急速に売り込まれたことについて、英経済を巡る不確実性の高まりを反映しており、欧州および米経済への影響を注視すると指摘。
FRBが何らかの措置を講じる可能性は示唆せず、米インフレ抑制が引き続きFRBの焦点になると強調し、「それが実現するまで、市場ではボラティリティーがではあらゆる方向で増大すると想定する」と述べた。
また「英財政計画に対する反応は、新たな行動が経済に不確実性をもたらすという懸念や恐れを明示している」と指摘。「これが最終的に欧州経済の弱含みを意味するのかが重要な問題で、米経済の今後の動向を考慮する上で重要な意味を持つ」とした。
ボストン地区連銀のコリンズ総裁は26日、約40年ぶりの高水準で推移してきた米インフレがピークに達した、もしくはピーク近辺にある公算が大きいという認識を示した一方、「物価の安定を達成するためには、雇用の伸びが鈍化し、失業率が幾分上昇することが必要だと考えている」と指摘。物価上昇圧力を抑制するためのFRBのより積極的な対応を完全に支持すると明かした。
FRB当局者はここ数週間、失業率が上昇し景気後退の可能性が高まったとしても、インフレ抑制が最優先課題だとの考えを示しており、住宅市場など一部セクターには影響が出ている。住宅ローン金利は6%超に上昇し、販売も減少している。
メスター氏は講演で住宅市場について繰り返し質問され、FRBの対応はすでに十分ではないかとも聞かれた。
これに対して、失業率の上昇など痛みを伴うものの、インフレ抑制には利上げが必要で、金利はこれまで予想されていたよりも長期間高い水準で維持されると指摘。物価上昇率は前月比で数カ月連続で下落して初めてピークに達したと確信できるとの見方を示した。