コラム

世界中の極右を引き寄せるウクライナ義勇軍は新たなファシズムの温床か

2022年03月14日(月)10時54分

戦争の帰趨は分からない。しかし確実に言えるのは世界的に政治の「残忍化」が進むことは避けられないということだ。だが、それは必ずしも破局に繋がるわけではない。『英霊』文庫版の解説を書いている今井宏昌は、『暴力の経験史:第一次世界大戦後ドイツの義勇軍経験1918~1923』(法律文化社、2016年)で、戦争経験の解釈のされ方は多様であり、それは必ず戦争を志向するのではなく、解釈の在り方によっては平和を志向する道もあることを示した。

ウクライナの戦争については、ロシアの侵略を批判する立場がほとんどだろう。だが我々はただ批判するだけでなく、戦争を語る方法や戦争に関する情報の受容についても丁寧に行う必要があるのだ。

プロフィール

藤崎剛人

(ふじさき・まさと) 批評家、非常勤講師
1982年生まれ。東京大学総合文化研究科単位取得退学。専門は思想史。特にカール・シュミットの公法思想を研究。『ユリイカ』、『現代思想』などにも寄稿。訳書にラインハルト・メーリング『カール・シュミット入門 ―― 思想・状況・人物像』(書肆心水、2022年)など。
X ID:@hokusyu1982

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