コラム

フォロワー数の少ない人を見よ。誰も知らないSNSの意外な活用法

2023年01月27日(金)10時45分

fujino20230127-pic2.jpg

「お金のまなびば!」より

「売れるか、売れないか」を会社以上に見極めないと儲からない

物事を見る観点は人によって異なる。儲かるか儲からないか、好きか嫌いか、快か不快か、美しいか醜いか、損か得か、正しいか正しくないか。

例えば、正義か不正義かを軸に生きる人と、損得を軸に生きる人の議論は平行線になるだろう。議論をかみ合わせるためには、相手がどんな軸を持っているのかを念頭に置いたうえで話をしなくてはならない。

そのためには、「なるべくいろいろなアンテナを体の中に染み込ませることが大事だ」と藤野氏は言う。

藤野氏によると、人間に対する理解は、投資においても活きる。人が何を求めているかが理解できないと、商品や製品の価値は分からないからだ。

会社は新しい商品やサービスを発表するとき、お金をかけてマーケティングリサーチをするが、結果はすぐには分からないことが多い。だから投資家はその商品やサービスが「売れるか、売れないか」をその会社以上に見極めないと儲からない、ということになる。

藤野氏は言う。

「一般的な消費者が求めるものに対する感度が、少なくとも鈍っていたら正しい判断はできない。僕がフォロワー数の少ない人の投稿を毎日見るのは、スポーツ選手が素振りをするのとすごく近い感覚。SNSに限らず、街に出たときも、歩く人の服や顔色、広告など、すべての情報を見ている」

無価値、あるいは当たり前に思える情報でも、見方を変えれば人生における強力な武器となる。「人の感情」を網羅的に把握するという意味で、SNSはまだまだ可能性を秘めていると言えそうだ。

構成・酒井理恵

●YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)など。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国製造業PMI、4月は50.4に低下 予想は上回

ワールド

米、2029年までに新車への自動ブレーキ搭載を義務

ワールド

豪小売売上高、3月は前月比0.4%減 予想外のマイ

ビジネス

中国非製造業PMI、4月は51.2 拡大ペース鈍化
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「瞬時に痛みが走った...」ヨガ中に猛毒ヘビに襲われ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story