最新記事

韓国事情

韓国人の日本に対する好感度は上昇、いっぽう日本人は......

2019年6月26日(水)17時50分
佐々木和義

慰安婦や領土問題では一致団結して反日を掲げてきた韓国だが、徴用工判決やレーダー照射問題での足並みは揃わない。徴用工判決は日本企業に賠償を求めるというより、韓国の法院(裁判所)が出した判決に従うべきという意見が大勢だ。なお、韓国ではレーダー照射が話題にのぼることがほとんどない。

日韓両国の民間団体が行なった調査によると韓国人の日本に対する好感度は20代が最も高く、30代、50代、40代と続いている。日本も20代や30代の好感度が高く、40代、50代、60代以上と年齢が上がるにつれて低下する傾向があり、若い世代ほどお互い良い印象を持っている(中央日報)。

日韓関係の改善を求める韓国人は70.8%

韓国人の56.5%、日本人の66%が、情勢は変わらないと答えているが、2国間協力が必要という韓国人は多い。安保協力は韓国人の58.6%が必要と答えており、日本人の40.4%を上回る。また、経済協力が必要と答えた日本人は43.4%だが、韓国人は83.1%に上っている。

日韓関係の改善を求める韓国人は70.8%で、日本人の40.2%を大きく上回っており、日本より韓国の方が関係改善を望んでいる。韓国人が日本を好む理由として、7割が親切で誠実な国民性を挙げており、生活水準の高さや日本製品の品質が続いているが、日本人は韓流や韓国料理といった特定文化へ関心が好感度に繋がっている。

朴槿恵前政権は就任当初から反日の姿勢を打ち出し、韓国人の日本への好感度も低迷したが、文在寅政権は日本への関心が薄いと見る人が多い。文大統領が掲げた慰安婦合意の破棄は朴政権の政策否定に主眼が置かれ、徴用工判決には関与しない方針を示している。対日政策を打ち出さない政府の姿勢が、情勢と好感度が連動しない結果を導き出しているのだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルのソマリランド国家承認、アフリカ・アラブ

ワールド

ミャンマーで総選挙投票開始、国軍系政党の勝利濃厚 

ワールド

米、中国の米企業制裁「強く反対」、台湾への圧力停止

ワールド

中国外相、タイ・カンボジア外相と会談へ 停戦合意を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 10
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中