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北朝鮮とベトナムが急接近 次の米朝会談はリゾート地ダナンに?

2019年1月18日(金)12時15分
鈴木琢磨(毎日新聞社部長委員)※時事通信社発行の電子書籍「e-World Premium」より転載

12月1日にハノイで会談を行った北朝鮮の李容浩外相とベトナムのグエン・スアン・フック首相 Manan Vatsyayana/Pool via REUTERS

近く予定されている2度目の米朝首脳会談、その開催地としてベトナム、それもハノイではなく、リゾート地のダナンが浮上している。筆者も現時点で最有力地だと考えている。なぜか? さまざまな予兆があった。

金日成訪越60周年が祝賀ムードに

昨年12月3日、ハノイの北朝鮮大使館で金日成のベトナム訪問60周年の記念式典が開かれた。式典にはベトナム祖国戦線中央委員会幹部会のチャン・タイン・マン議長をはじめ各省庁、機関の代表が顔をそろえ、議長は「ベトナムと朝鮮間の伝統的な友好関係はホー・チ・ミン主席と金日成主席がもたらし、手間をかけて築いた」とあいさつ。さらにこの式典の直前、11月30日には北朝鮮の李容浩外相がベトナムを訪れ、ファム・ビン・ミン副首相兼外相と会談、12月1日にはグエン・スアン・フック首相とも会った。李外相は農業科学院と観光地のハロン湾を見学したのだ。

にわかにトピックニュースとなった金日成の訪越60周年。確かに調べてみると、金日成は政府代表団を率いて1958年11月21日から12月10日まで中国と北ベトナムを親善訪問している。ベトナム戦争には韓国も多くの軍人を送り、北朝鮮もまた空軍パイロットが「参戦」したのはよく知られているが、1950年代はまだそれこそ社会主義国同士の「親善」と「連帯」の時代である。金日成訪越の前年にホー・チ・ミンは平壌を訪問しているから、その答礼の意味も込められていたのだろう。

さらにベトナムといえば、北朝鮮には苦々しい感情を抱いているはずなのだ。2017年2月、金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男がマレーシアのクアラルンプール国際空港で殺害された事件のことである。ベトナム人のドアン・ティ・フォン被告らが実行役として殺害に関与したとして逮捕され、マレーシアの高等裁判所で裁判が続く。8月の公判では北朝鮮の男4人が事件の指示役だったと認定されたものの、北朝鮮はこれまで事件への関与を一切、否定している。両国関係は険悪なはずなのだが、なぜか金日成の訪越60周年は祝賀ムードとなった。

実は金正男暗殺事件をめぐって水面下で動きがあったらしいのだ。複数の情報関係者によれば、ベトナム人女性を事件に巻き込んだことについて、北朝鮮サイドがひそかにベトナムに非公式の謝罪をしたというのである。不思議なのはこの事件に絡んでインドネシア人の女性も逮捕されたのだが、これまでのところ、同様の非公式謝罪をインドネシアに行ったとの情報はない。あくまで事件に北朝鮮が関与していないのなら、なぜ、プライドの高い北朝鮮がベトナムのみに気遣いをするのか。ここにきて、ベトナムとの関係改善を急ぐ必要があったからだとみるしかない。

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