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トランプ政権

トランプの「オバマつぶし」、エボラ対策費を削減

2018年5月21日(月)11時30分
ローリー・ギャレット(米外交問題評議会・元シニアフェロー)

トランプは国務省の「複合危機基金(CCF)」からも3000万ドル相当の緊急対応資金を削減しようとしている。CCFは国務長官の裁量下にある「危機準備金」。外交官や専門家を派遣し、飢餓救援物資の提供や災害プログラムを展開して、全面戦争や大規模な災害が予想される危機的状況の解消を目指す。

クリントン元国務長官の指示で設立されたCCFを、トランプは個人的な敵意から標的にしているようだ。

今までもトランプは、科学や貧困層への支援、外国への援助を軽視していることを隠してこなかった。彼はまだ科学技術政策局の局長を指名していない。彼の側近には、リベリアの首都モンロビアで病院衛生プログラムを強化すれば、危険な病原体に知らずに感染した旅行者が米テキサス州の病院に現れる可能性がどれだけ低くなるかを説明できる人材はいない。

米議会の議員は、トランプの削減案全体を否決すべきだ。これは巨額の減税によって生み出される赤字を減らす役には立たず、アメリカ国民の健康と安全を害するだけだ。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2018年5月22日号掲載>

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