最新記事

アメリカ外交

米副大統領「大使館エルサレム移転、19年末までに」 イスラエル国会で演説

2018年1月23日(火)09時11分

1月22日、ペンス米副大統領はイスラエル国会で演説し、「向こう数週間でトランプ政権はエルサレムへの米大使館移転計画を進め、2019年末までに開館する」と述べた。写真はエルサレムで会談するペンス米副大統領(左)とイスラエルのネタニヤフ首相(2018年 ロイター)

ペンス米副大統領は22日、イスラエル国会で演説し、「向こう数週間でトランプ政権はエルサレムへの米大使館移転計画を進め、2019年末までに開館する」と述べた。

トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことで米国はパレスチナ側の反発を買ったほか、国際的な問題となっている。

演説の冒頭ではイスラエル国会に議席を持つアラブ系議員が、アラビア語と英語で「エルサレムがパレスチナの首都」と記した看板を掲げ、演説は一時中断となった。

パレスチナ人は、聖地がある旧市街を含む東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置付けている。一方、1967年の第3次中東戦争で東エルサレムを占領・併合したイスラエルは、エルサレム全土が自国の「永遠の、不可欠な」都市としている。イスラエルによるエルサレムの占領・併合は国際的に認められていない。

これはトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定して以来、最も位の高い高官の訪問だ。ペンス氏とネタニヤフ首相にとって両国の親密な関係を強調する機会となった。イスラエルには保守的なキリスト教徒の米国人が多く住んでいるほか、同国は米政権にとって政治的権力を維持する重要な拠点だ。ペンス米副大統領は22日、イスラエル国会で演説し、「向こう数週間でトランプ政権はエルサレムへの米大使館移転計画を進め、2019年末までに開館する」と述べた。

トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことで米国はパレスチナ側の反発を買ったほか、国際的な問題となっている。

演説の冒頭ではイスラエル国会に議席を持つアラブ系議員が、アラビア語と英語で「エルサレムがパレスチナの首都」と記した看板を掲げ、演説は一時中断となった。

パレスチナ人は、聖地がある旧市街を含む東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置付けている。一方、1967年の第3次中東戦争で東エルサレムを占領・併合したイスラエルは、エルサレム全土が自国の「永遠の、不可欠な」都市としている。イスラエルによるエルサレムの占領・併合は国際的に認められていない。

これはトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定して以来、最も位の高い高官の訪問だ。ペンス氏とネタニヤフ首相にとって両国の親密な関係を強調する機会となった。イスラエルには保守的なキリスト教徒の米国人が多く住んでいるほか、同国は米政権にとって政治的権力を維持する重要な拠点だ。

[エルサレム 22日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ロイターネクスト:米第1四半期GDPは上方修正の可

ワールド

バイデン氏、半導体大手マイクロンへの補助金発表 最

ビジネス

米国株式市場=下落、予想下回るGDPが圧迫

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中