最新記事

ペルー

恩赦を与えられたペルーのフジモリ元大統領、国民に許し求める

2017年12月27日(水)10時15分

12月26日、在任中の汚職と人権侵害事件で禁錮25年の刑に服し、ペルーのクチンスキ大統領から恩赦を与えられたフジモリ元大統領(写真)は、フェイスブック上にビデオメッセージを投稿し、在任中に至らなかった点について国民に対して「心の底から」許しを求めた。写真はフェイスブックの投稿から(2017年 ロイター/Fujimori Handout/Reuters TV via REUTERS)

在任中の汚職と人権侵害事件で禁錮25年の刑に服し、ペルーのクチンスキ大統領(79)から恩赦を与えられたフジモリ元大統領(79)は26日、フェイスブック上にビデオメッセージを投稿し、在任中に至らなかった点について国民に対して「心の底から」許しを求めた。また、クチンスキ大統領がクリスマスにフジモリ氏に恩赦を与えたことに感謝した。

フジモリ派政党は現政権と激しく対立してきた。フジモリ氏はこの日、自由な身になった今、クチンスキ氏の国民和解の呼び掛けに協力していくと述べ、政界へ戻らない意向を示唆した。

闘病中のフジモリ氏は病院のベッドで管に繋がっている状態だ。「私の政権が一部の国民に好意的に受け止められた一方、一部の国民の期待を裏切ったことも認識している」とメモを読み上げた。「こうした人たちに対しては、心の底から許しを求める」とした。

フジモリ氏が1990-2000年に強権を行使したことについて明確に謝罪するのは初めて。

恩赦は、クチンスキ大統領が政治的スキャンダルを生き延びるためにフジモリ派の議員と取引をしたとの批判が上がっている。フジモリ政権下の被害者を侮辱しているとして、前日まで抗議デモが2日間続いていた。

クチンスキ大統領は25日、恩赦に反対する国民に対して、「新たな段階へ進もう」と呼びかけ、恩赦に対する理解を求めた。フジモリ政権下でペルーは前進したと主張。フジモリ氏は病気を患っており、恩赦は正当化されると述べた。

フジモリ氏は[大統領がとった複雑な手段に感謝の意を表明せずにはいられない。人生の新たな段階において、大統領が求める和解を支持する」と述べた。

[リマ 26日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版のおすすめ記事をLINEでチェック!

linecampaign.png

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪気象局、エルニーニョ終了を発表 ラニーニャ発生は

ビジネス

円安は是正必要な水準、介入でトレンド変わるかは疑問

ビジネス

米アップル、ベトナム部品業者への支出拡大に意欲=国

ビジネス

ECBの6月利下げ、インフレ面で後退ないことが前提
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 5

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 6

    キャサリン妃は最高のお手本...すでに「完璧なカーテ…

  • 7

    韓国の春に思うこと、セウォル号事故から10年

  • 8

    中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界が…

  • 9

    中国の「過剰生産」よりも「貯蓄志向」のほうが問題.…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 4

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 5

    ドイツ空軍ユーロファイター、緊迫のバルト海でロシ…

  • 6

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 7

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 8

    金価格、今年2倍超に高騰か──スイスの著名ストラテジ…

  • 9

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 10

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中