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エリザベス女王、最長在位の秘訣は食にあり(チョコは別腹)

2017年6月19日(月)17時30分
西川 恵(毎日新聞社客員編集委員)※時事通信社発行の電子書籍「e-World Premium」より転載

日常食にも頑固通す

女王の日常食に戻ろう。フラナガン氏は週に2回、数日先までの朝昼晩のメニュー候補を提出し、女王はそれに〇や×をつけて、実際のメニューが決められる。

同氏はある1日の典型的なメニューを明かしている。

朝食 起きるとまずアールグレイの紅茶(ミルク、砂糖抜きで)にビスケットをつまむ。9時に食事。フルーツにシリアルが定番。時々、これに代えてトーストにマーマレードのことも。まれにスクランブルエッグとスモークサーモンを付ける。

フィリップ殿下は8時半に朝食を取るので、朝は夫婦別々だ。

昼食 昼食前に食前酒としてレモンと氷をたっぷり入れたジン、もしくはデュボネ(甘口の食前赤ワイン)。これは何十年と変わらない。
 
食事は魚、もしくは鶏にサラダのみ。魚はドーバー海峡の舌平目が好み。皿に軽くゆでてしんなりしたホウレンソウかズッキーニを敷き、その上に魚、鶏を置くのが定番。先に述べたようにポテト、米、パスタは取らない。ワインは飲まない。

間食 午後の紅茶の時間には、つまみにフィンガーサンドイッチ、スコーン、好物のケーキのいずれかを口にする。サンドイッチの中身はキュウリやスモークサーモンなどだが、ラズベリーのサンドイッチも好みだ。

夕食 ラム、ローストビーフ、マトンなど、その日によるが、牛ヒレや鹿のステーキをマッシュルームのクリームソースで食べるのが好みと言われている。食事中の飲み物はドライマティーニで、ワインは飲まない。

デザート ウィンザー城の温室で育てた白桃やストロベリーが好み。チョコレートムースの時もある。時にデザートに合わせシャンパンをグラス1杯飲むことも。

これを見ても、女王が意識してセーブしていることが分かる。炭水化物は朝のシリアルで取るだけ。ワインもほとんど飲まず、野菜中心の食事だ。特段、今風にオーガニックにこだわっているわけではないが、いったん決めたらそれを守り通す頑固さが日常食からも伝わってくる。この頑固さこそが健康・長寿の秘密なのだろう。


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西川 恵(にしかわ・めぐみ)
毎日新聞社客員編集委員
1971年毎日新聞社入社。テヘラン、パリ、ローマの各支局勤務。外信部長、論説委員を経て2002年から専門編集委員。14年4月から現職。著書に『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『国際政治のキーワード』(講談社)、『ワインと外交』(新潮新書)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、『饗宴外交』(世界文化社)など。共訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店)。フランス国家功労賞。

※当記事は時事通信社発行の電子書籍「e-World Premium」からの転載記事です。
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