最新記事

南シナ海

比ドゥテルテ大統領、南シナ海の無人島占拠を軍に指示

2017年4月7日(金)09時00分

4月6日、フィリピンのドゥテルテ大統領(写真)は、南シナ海で領有権を主張している無人島や岩礁を占拠するよう軍に命じた。中国が反発する可能性がある。2016年12月撮影(2017年 ロイター/Ezra Acayan/File Photo)

フィリピンのドゥテルテ大統領は6日、南シナ海で領有権を主張している無人島や岩礁を占拠するよう軍に命じた。中国が反発する可能性がある。

大統領はまた、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島でフィリピンが実効支配する最大の島、パグアサ島(英語名ティトゥ島)を訪れて国旗を立て、同海域に配置する兵士のために兵舎を建てる可能性があると発言。ティトゥ島は中国が軍事拠点化している7つの人工島の1つであるスービ(渚碧)礁に近い。

大統領は南シナ海に面するパラワン島の軍基地を訪問した際に記者団に対し、「無人島はわれわれが所有しており、そこに住むべきだ」と強調。

「誰もが領有権を争っているため、まだ誰もいない島には住んだ方がいいだろう。自国のものだと主張し、強い立場を示す」と述べた。

同氏はこれまで、南シナ海の大半を自国領と主張する中国との領有権問題について、対話を通じて解決を探る姿勢を見せてきたが、今回の発言で方針転換を示唆した格好となった。

同海域ではフィリピンと中国のほか、マレーシア、台湾、ブルネイ、ベトナムも領有権を主張している。

南シナ海を巡る問題は6、7日の米中首脳会談でも議題に上るとみられている。米国務省はドゥテルテ氏の発言についてコメントを避けた。

フィリピンのロレンザーナ国防相は前月、南沙諸島にある同国管理下の施設について、新たに港を建設し、既存の滑走路を補強するなどして強化する考えを示している。

[マニラ 6日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、防空強化でG7の協力要請 NATOが取

ビジネス

米指数ファンドからブラックリスト中国企業に多額資金

ワールド

イスラエルの長期格付け、「A+」に引き下げ=S&P

ビジネス

仏ロレアル、第1四半期売上高は9.4%増 予想上回
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中