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極右オランダ下院選、中道右派の与党が政権維持へ 極右第1党ならず
3月15日、オランダ下院選挙の第2回出口調査によると、ルッテ首相率いるえ与党の自由民主党が150議席中31議席を獲得し、リードしている。写真はハーグで投票するルッテ首相(2017年 ロイター/MICHAEL KOOREN)
オランダで15日、下院選挙(定数150議席)の投開票が行われ、ルッテ首相率いる与党の中道右派、自由民主党(VVD)が第1党を維持する見通しとなった。ナショナリズム拡大を懸念する欧州の各国政府にとって安心感をもたらす結果になりそうだ。
オランダ通信(ANP)が伝えたところでは、開票率約55%時点の獲得議席予想はVVDが最多で32議席。ただ、前回2012年の41議席から減らすとみられる。
「反イスラム」を掲げるウィルダース氏率いる極右・自由党(PVV)は、キリスト教民主勢力(CDA)や民主66と共に19議席で並んでいる。
オランダ放送協会(NOS)による出口調査の第2回発表では、VVDが31議席を獲得するとされ、PVVの19議席をリード。また、他の2党も19議席を獲得するとの結果だった。
ルッテ首相はハーグの集会で「VVDが最大議席を獲得するようだ」と事実上の勝利宣言。「ブレグジット(英国の欧州連合離脱)や米大統領選後に、オランダが間違ったポピュリズム(大衆迎合主義)を食い止めた夜にもなった」と支持者らに語った。
一方、PVVのウィルダース党首は、記者団に「第1党にはなれなかったが、敗れたわけではない。誇れる結果だ」と述べた。
NOSによると、投票率は81%で12年の74.6%を上回り、過去30年で最も高い水準。
フランスやドイツなど欧州各国では今年行われる選挙で極右政党が躍進する勢いを見せているが、出口調査の結果通りなら、主流派政党にとっては安心材料となる。
ただ、PVVの勝利は免れたものの、ルッテ首相による長年の緊縮政策でVVDの得票率は低下。連立政権を組む労働党は、前回の38議席から大幅に議席を減らすとみられ、過去最悪の結果となる見通し。
このため、選挙後の連立交渉は長ければ数カ月かかる可能性もある。