最新記事

円安

ドル上昇、強い小売統計で米利上げ継続との観測再燃

各国中央銀行の金融政策とFRBのかい離が見え始め、長期的なドル買いの材料に

2016年2月13日(土)12時54分

2月12日、NY外為市場ではドルが上昇。強い小売統計で米利上げが継続するとの観測が再燃した。写真は100ドル札と1万円札。2013年2月撮影。(2016年 ロイター/Shohei Miyano)

 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが上昇した。1月の米小売売上高統計が消費に勢いが戻ったことを示す内容となり、他の主要中銀が金融緩和に動く中でも、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを継続する可能性が高まった。

 ドル/円は0.75%高の113.26円。ただ週間では3%超の値下がりとなった。対円で3%超下落するのは2週連続で、2週間の下落率としては14%超下げた1998年10月以来の大きさとなった。

 ウェルズ・ファーゴの通貨ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は「短期的にはドルはいく分下落するが、中長期的には上昇基調が続くと予想している」と指摘。マイナス金利を導入している日欧を含め、積極的な金融緩和を実施している他の中銀との金融政策のかい離が長期的なドル買いの材料となると述べた。

 イエレンFRB議長の議会証言に続き、この日はニューヨーク連銀のダドリー総裁が、米経済にはかなりの勢いがあるとして、マイナス金利の可能性を議論することは極めて早計との考えを示した。小売売上高統計は、FRBが昨年12月に開始した利上げについて考えを変えていないことを示唆する幹部2人の発言を裏付ける格好となった。

 ユーロ/ドルは0.6%安の1.1250ドル。

 ドルはスイスフランに対しては0.5%高の0.9765フランとなった。

 主要6通貨に対するICEフューチャーズUS(旧NY商品取引所)ドル指数<.DXY>は一時96.215に上昇した。直近では0.4%高の95.972。

ドル/円 NY時間終値 113.27/113.29

前営業日終値 112.39

ユーロ/ドル NY時間終値 1.1255/1.1260

前営業日終値 1.1319

[北京 25日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中