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ミレニアル世代では離婚率が減少? 離婚大国アメリカは変わっていくのか

2018年10月05日(金)18時40分
安部かすみ

アメリカでは結婚したカップルの半数近くが離婚に至るそうだが… Kameleon007-iStock

<離婚率が高いと言われるアメリカだが、若い層の離婚率は減少傾向にあるという>

愛し合って結婚したハズなのに、どうして離婚に至ったのか? 離婚した当事者はもちろん、身内や友人も離婚と聞けば誰もがそんなことを思い、考えれば考えるほど迷宮入りするだろう。

日本も最近は3組に1組が離婚すると言われ年々増加傾向にあるようだが、離婚大国と言えば昔も今もアメリカ。ニューヨーク在住の筆者の周りにも離婚したカップルは多いし、知人の両親世代も「ほとんど」が離婚している。

たまに離婚していない熟年カップルに会えば、奇跡のカップルとばかりに、婚姻関係を成功させるコツについて質問攻めにすること必至。ちなみに私は先週、50代後半の友人の結婚4周年記念バーベキューパーティーに行く機会があった。そこで2組の熟年夫婦と話したが、結婚生活を長続きさせる鍵として「反論があっても言わずに我慢すること」と、2組とも男性側が言っていたのが興味深かった。「女性は感情的な生き物だから」とのこと。

アメリカ心理学会(APA)の発表によると、アメリカ人の離婚率は依然として高く、数字で表すと約40~50%、つまり結婚したカップルの半分近くが離婚しており、再婚して離婚する確率はさらに高いという。

しかし、それでも最近は変化があるようだ。

アメリカのメリーランド州にあるメリーランド大学の教授、フィリップ N.コーヘン氏の調査結果によると、2008年から2016年の8年間では、アメリカ人夫婦の離婚率が18%も下がったことがわかったという。社会科学分野向けに同教授自身で立ち上げたオープンアクセス・リポジトリ(閲覧可能なデータベース)「SocArxiv Papers」で明らかにしている。

その調査によればこの10年の間に女性の初婚年齢は25歳以上まで高まり、結婚する女性たちの多くが大卒もしくはそれに相当する高等教育を受けている女性になってきたという。

米ブルームバーグの取材で同教授は、「結婚生活というものは、ただ漫然と日々を積み重ねてもうまくいくとは限らないものであり、ふたりで『達成』するものとして認識されつつある」としている。そして、離婚率が低下した理由の一つに考えられることとして、「女性で高等教育を受ける人の率が高まったことで結婚年齢が上がってきた。そのバックグラウンドの変化が起因している」と語った。

つまり、教育を受けた女性がある程度の年齢まで待って結婚すると離婚しにくくなるという傾向があり、それが率の低下につながったということだ。この潮流がこのまま続けば離婚率は下がり続けるのではと示唆している。

高齢カップルで増加、若い層では減少

また、オハイオ州のボウリング・グリーン州立大学の「家族と結婚の調査のための国立センター(NCFMR))」および米国勢調査局による、人々の年代ごとの離婚率についての発表では、25〜34歳の層の人々の離婚率は1990年の時点で33%だったのが2015年では24%にやや減少。だが45歳以上の層(45〜54歳の人々、55〜64歳の人々、65歳以上の人々という3カテゴリー)では、1990年と比べて2015年の方が離婚率が高くなっていて、特に55歳以上の人々の離婚率は倍以上に上っているという。

ニューヨーク・デイリー・ニューズ紙の9月26日の報道では、若い世代で離婚率が下がっている原因について、米国で今、バッファロー・ワイルド・ウィングスなどの人気カジュアルダイニングチェーンの業績が悪化していることを例に取り、関連付けている。ミレニアル世代は外食より家庭での料理を好む傾向があり、それが離婚しにくいカップルになれる一つの要因と言えるのではないか、との見解だ。

結婚式で、病める時も健やかなる時も命ある限り愛し合い、真心を尽くすことを誓っても、人間関係に変化はつきものだし、一寸先に何が起こるかわからないのが世の常。しかし、なるべくネガティブな理由での離婚は回避したいのは、日本でもどの国でも同じだろう。「もともと離婚率の高い国での調査結果」ではあるが気になるところだ。

【参考記事】離婚で「早死にリスク50%アップ」 夫や妻の小言もあるうちが花

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