最新記事

シネマ&ドラマ

住環境

街路樹パワーで街を元気に

Trees Make You Healthier

木の健康増進効果のおかげで年収も大幅アップ

2015年8月26日(水)16時30分
コナー・ギャフィー

印刷

 緑に囲まれた空間は都会のオアシスだ。なかでも注目すべきは街路樹。街路樹の多い地区に住んでいれば健康増進に顕著な効果が期待できることが、最近の研究で明らかになった。

 7月にサイエンティフィック・リポートに掲載された論文によれば、シカゴ大学の研究チームはカナダのトロント市内の街路樹53万本の分布状況に関するデータと、3万人を超える住民を対象にしたオンラインの健康に関するアンケート結果を分析。健康状態の自己評価(将来、健康にどんな影響が出るかを予測する尺度になる)や、心血管代謝リスクや精神疾患の改善効果があるかどうかを重点的に調べた。

 その結果、街路樹が1街区当たり10本増えると健康状態の自己評価が向上し、1世帯当たりの年収が平均1万ドル増加、あるいは7歳若返るのに相当する効果があることが分かった。同じく11本増えると、その地区の住民の心臓病、糖尿病、肥満といった代謝性疾患のリスクが低下し、健康状態の自己評価は飛躍的に向上した。

 具体的な因果関係についてはさらに研究が必要だが、街路樹の健康増進効果を裏付ける研究結果はほかにもある。例えば木には空気をきれいにして大気汚染を軽減する効果があることが分かっている。10年に行われた研究によれば、アメリカでは木や森が除去する大気汚染物質は年間1740万トンに上り、医療費約68億ドルの節減につながっているという。

 ヨーロッパに目を向ければ、パリは「ヨーロッパで最も木の多い都市」を自負。市内全体で47万8000本、街を取り囲む環状道路だけでも8000本の街路樹が植えられている。エストニアの首都タリンも負けてはいない。価値ある古木52本を保護するなど木を大切にしている功績をたたえて、ヨーロッパの樹木栽培団体で構成される欧州樹木栽培評議会によって今年度の「欧州樹木都市」に選ばれた。

「住めば都」とはいうけれど、どうせ住むなら健康にも経済にも優しい「木の都」に住みたいものだ。

[2015年8月25日号掲載]

最新ニュース

ワールド

ペルー大統領、フジモリ氏に恩赦 健康悪化理由に

2017.12.25

ビジネス

前場の日経平均は小反落、クリスマス休暇で動意薄

2017.12.25

ビジネス

正午のドルは113円前半、参加者少なく動意に乏しい

2017.12.25

ビジネス

中国、来年のM2伸び率目標を過去最低水準に設定へ=現地紙

2017.12.25

新着

ここまで来た AI医療

癌の早期発見で、医療AIが専門医に勝てる理由

2018.11.14
中東

それでも「アラブの春」は終わっていない

2018.11.14
日中関係

安倍首相、日中「三原則」発言のくい違いと中国側が公表した発言記録

2018.11.14
ページトップへ

本誌紹介 最新号

2021.3. 9号(3/ 2発売)

特集:人民元研究

2021.3. 9号(3/ 2発売)

一足先にデジタル化する「RMB」の実力 中国の通貨は本当に米ドルを駆逐するのか

通貨 ドル支配の終わりと人民元時代の始まり
分析 基軸通貨への準備は万端
歴史 「弱小」人民元はこうして飛躍した
■タイムライン 人民元、国際通貨への足跡
視点 ドルと世界が迎える予測不可能な未来
デジタル雑誌を購入
最新号の目次を見る
本誌紹介一覧へ

Recommended

MAGAZINE

特集:静かな戦争

2017-12・26号(12/19発売)

電磁パルス攻撃、音響兵器、細菌感染モスキート......。日常生活に入り込み壊滅的ダメージを与える見えない新兵器

  • 最新号の目次
  • 予約購読お申し込み
  • デジタル版

ニューストピックス

人気ランキング (ジャンル別)

  • 最新記事
  • コラム&ブログ
  • 最新ニュース