コラム

高市の並外れた「人たらし」能力がトランプの心を鷲掴みにしたとき...

2025年11月14日(金)15時30分

初の女性首相として臨んだ日米首脳会談とAPECでのパフォーマンスは、外交初心者にしては驚くべきものだった。トランプとの会談でミスは一切なし。APECでは各国の指導者たちとエネルギッシュに交流した。あまりに奔放なスタイルに、一部の評論家からは品位を欠く、あるいは素人丸出しといった声も出た。野党・立憲民主党の野田佳彦代表は、特に核実験再開を宣言したトランプへのノーベル平和賞推薦を「行きすぎたお世辞外交」だと批判した。

高市の並外れた「人たらし」能力とカリスマ性は、最も複雑な問題にもうまく対処する助けになるかもしれない。中国や韓国との関係は大きな試金石であり、第2次大戦中の日本の行為に関する過去の発言や靖国神社への参拝歴は大きな足かせになる。


だが思わず引き込まれそうになる笑顔、外国の指導者に向かって椅子を滑らせるしぐさ、軽やかに背中をたたく動作など、国際舞台でのデビューを見ると、強固なイデオロギーを堅持しながら圧倒的な人格的魅力を武器に効果的な外交を展開する姿をつい期待してしまう。

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サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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