コラム

高市の並外れた「人たらし」能力がトランプの心を鷲掴みにしたとき...

2025年11月14日(金)15時30分
高市早苗

横須賀に停泊中の米空母を訪れた両首脳(10月28日) KIM KYUNG-HOONーREUTERS

<外交初心者にしては上出来すぎる? 高市首相の外交デビューをアメリカはこう見た>

日本の高市早苗首相が満面の笑みを浮かべながら、トランプ米大統領に今は亡き師・安倍晋三元首相のゴルフ用パターを贈呈した場面は、これ以上ないほど象徴的な光景だった。おもてなしと人柄の力はトランプを魅了する上で最高の武器になる。日本の歴代首相は短気なトランプとの関係づくりを巧みに進めてきたが、究極の世界チャンピオンはやはり安倍だ。高市にもその影響が色濃く表れていた。

大統領と首相が「ジャパン・イズ・バック(日本は戻ってきた)」というスローガン入りの野球帽にサインしたことは、トランプの亡き友人に思いをはせるだけでなく、高市外交の実質的な成果を強化する行為だった。「鉄の女」サッチャー英元首相と比較される高市のリーダーシップは、断固たる姿勢だけでなくイデオロギーの面でも強い印象を残した。


トランプ時代には、これが効果を発揮している。高市は個人的関係を強化する手腕と、世界の分裂が進むなかで日本は最も安定した信頼できる同盟国になるというメッセージを巧みに結び付けた。防衛費の増額が新たな国際秩序形成への日本の積極的関与を裏付け、同盟国の「ただ乗り」に対するトランプの不満を軽減することを、高市はよく理解している。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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