自動車のバイオ燃料使用継続、ＥＵは拒否を 環境団体が訴え

Philip Blenkinsop

[ブリュッセル ２７日 ロイター] - 環境保護団体トランスポート・アンド・エンバイロメント（Ｔ＆Ｅ）は２７日、バイオ燃料は真のカーボンニュートラルではないため、欧州委員会は自動車メーカーが求める２０３５年以降のバイオ燃料使用に反対すべきだと述べた。

欧州連合（ＥＵ）は電気自動車（ＥＶ）への移行を推進しており、３５年までに新車の二酸化炭素（ＣＯ２）排出ゼロ化を目指している。一方で自動車メーカーは、内燃機関車、プラグインハイブリッド車などにカーボンニュートラル燃料を使用し続けられるよう、免除措置を働きかけている。

欧州委員会は１２月１０日、自動車部門への支援策を発表する予定。

Ｔ＆Ｅはリポートで、１８年にＥＵ法改正でパーム油や大豆由来の燃料が規制され、現在では使用済み食用油や廃棄物由来の燃料が域内のバイオディーゼル燃料の約半分を占めていると指摘。

ただ、バイオ燃料の約６０％、使用済み食用油の８０％は主にアジアから輸入され、パーム油を廃棄物と偽るなどの不正行為も増えていると指摘した。

Ｔ＆Ｅによると、食用作物由来のバイオ燃料は化石燃料と比べて一般的に６０％しかＣＯ２を削減できず、森林破壊につながる危険性もあるという。

また、ＥＵ域内の自動車がバイオ燃料を使用すると、５０年にはＣＯ２排出量が最大２３％増加する可能性があるとの見方を示した。