豪最高裁、ロシア新大使館の建設阻止 国家安全保障上の懸念で

Christine Chen

[シドニー １２日 ロイター] - オーストラリア最高裁判所は１２日、首都キャンベラでロシアが新たな大使館を建設する計画を阻止する判断を示した。

国家安全保障上の理由から政府が同国の土地賃貸契約を無効とした法律を全会一致で支持した。

ロシアはキャンベラの国会議事堂から約３００メートル離れた土地の賃貸権を保有し、キャンベラの別の場所にある老朽化した大使館に代わる新大使館を建設する計画だった。

だが、豪政府は２０２３年、議事堂の近くに「新たなロシアの拠点が存在するリスクについて極めて明確な安全保障上の助言」を受けたことから、同地の賃貸契約を取り消す法律を制定した。

ロシア側は、この法律が憲法上の権限を超えたものであり無効だとして最高裁に異議を申し立てていた。

最高裁は、この法律について「正当な条件」で土地を収用する議会の権限を有効に行使したものだったと判断。ロシアには補償を受ける権利があるとも指摘した。

ロシア大使館は「判決を慎重に精査する」と表明した。