英国、公共サービスのサイバー攻撃対策を強化へ

2022年8月19日撮影、 REUTERS/Dado Ruvic

[ロンドン １２日 ロイター] - 英政府は、公共サービスに対するサイバー攻撃の防御を強化する計画だ。国民保健サービス（ＮＨＳ）などの公的・民間セクターにサービスを提供する企業に対し、厳格なセキュリティー基準の順守を義務付ける。

英国では昨年、国防省の給与システムがハッカーの侵入を受けたほか、最近も１万１０００件を超えるＮＨＳの診察・処置に支障が出たサイバー攻撃が発生している。

１２日に政府が発表した法案によると、ＩＴ管理やヘルプデスク、サイバーセキュリティーなどのサービスを公的・民間機関の双方に提供する中規模および大規模企業が規制対象となる。

法案が承認されれば、企業は重大なサイバーインシデントや重大なサイバーインシデントになり得る問題を政府と顧客に速やかに報告することや、そうした事態に対する盤石な計画の策定を義務付けられる。

規制当局には必要不可欠なサービスに対する重要なサプライヤーを指定する権限が付与され、深刻な違反への罰則も強化する。

政府はＮＨＳ、地方議会、学校などの公的機関や国家の重要インフラ運営企業に対し、サイバー犯罪者への身代金の支払いを禁止する計画も打ち出している。