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ガザ停戦に署名、イスラエル閣議承認はまだ 12か13日に人質解放か

2025年10月09日(木)18時57分

 10月9日、パレスチナ自治区ガザの和平案の第1段階に関する合意文書への署名は、イスラエル時間正午(日本時間午後6時)に行われる見通しだと関係筋がロイターに明らかにした。写真はイスラエルのネタニヤフ首相。9月に米ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Jonathan Ernst)

Maayan Lubell Nidal al-Mughrabi

[エルサレム/カイロ 9日 ロイター] - イスラエルとパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスが米国主導の和平案の第1段階で合意したことを受け、ハマスが拘束している人質全員が解放されるが、イスラエル当局によると、生存しているとみられる人質20人の解放は12か13日になると予想されている。これとは別に26人は遺体未確認のまま死亡宣告され、2人の生死は不明だ。ハマスは、遺体はガザ全域にあるため回収には時間がかかると示唆している。

エジプトのテレビ局は、合意文書への署名によりイスラエル時間9日正午(日本時間午後6時)に停戦が発効したと伝えた。イスラエル側は閣議決定により発効するとしており、ネタニヤフ首相は合意承認へ午後5時に安全保障閣僚会議と閣議を開く。関係筋によると、イスラエル軍は署名後24時間以内に部分撤退の第1段階を完了する計画だ。

イスラエル軍は合意の履行に向けた準備作業を開始したと発表。引き続き部隊を展開し、あらゆる事態に備えているとしている。

住民によると、イスラエル軍は夜間にガザ市郊外のシェジャイア、トゥッファ、ゼイトゥーンを攻撃した。現時点で死傷者の情報はない。

イスラエルとハマスはトランプ米大統領の20項目から成るガザ和平案を巡り、エジプトで間接協議を行っていた。トランプ氏は8日、双方が和平案の第1段階で合意したと発表した。

ガザ南部ハンユニスの男性は「停戦成立と流血と殺りくの終結を神に感謝する。ガザ地区全体、アラブ諸国の人々、そして全世界が停戦と流血の終結を喜んでいる」と語った。

一方、テルアビブの広場では人質解放を祝う花火が打ち上げられ、人質の母親が「今のこの気持ちを説明できない」と喜びを爆発させた。

停戦の見通しにより世界の原油供給が混乱する懸念が和らいだため、原油価格は下落した。

ロイター
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