米大学に出願者の人種データ開示要求、トランプ氏が新たに圧力

8月7日、トランプ米大統領は国内の大学に対し、人種に基づいて学生構成を決めていないことを証明するために入学者選考データの収集を義務付ける覚書に署名した。コロンビア大で4月撮影(2025年 ロイター/Ryan Murphy)
Brad Brooks
[7日 ロイター] - トランプ米大統領は7日、国内の大学に対し、人種に基づいて学生構成を決めていないことを証明するために入学者選考データの収集を義務付ける覚書に署名した。ホワイトハウスが明らかにした。
トランプ政権は、学生の多様性確保のためにマイノリティー(少数者)を優遇してきた「アファーマティブ・アクション(積極的な差別是正措置)」を制限するため、多様性・公平性・包括性(DEI)プログラムを推進する大学への資金援助を停止する構えを強めている。
覚書では、2023年の連邦最高裁判決で入試における差別是正措置は撤回されたが、大学は学生が出願時に提出する人種を示す「多様性声明」に依拠し、この判決を回避してきたと主張した。
また教育省は、マクマホン教育長官が国立教育統計センターに対し、出願者の人種と性別、入学許可者、全入学者のデータを大学から収集するよう指示したと明らかにした。
一方、1600校が加盟する米教育評議会のジョナサン・ファンスミス上級副会長は、「入学試験で人種を考慮できないので、学校は志願者から人種のデータを収集しない。保有しておらず、収集できない情報を教育機関に提供させようとする取り組みだ」と述べた。