ニュース速報
ワールド

トランプ氏、日鉄のUSスチール買収承認の意向 「計画的提携」の効果期待

2025年05月24日(土)11時19分

トランプ米大統領は23日、米鉄鋼大手USスチールと日本製鉄が「計画的提携」の締結で合意したと発表した。(2025年 ロイター/Nathan Howard)

[ワシントン 23日 ロイター] - トランプ米大統領は23日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収提案を承認する意向を示した。両社の「計画的パートナーシップ(提携)」が雇用を創出し、米国経済に貢献すると述べた。

トランプ氏は自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「これはUSスチールと日鉄の計画的パートナーシップであり、少なくとも7万人の雇用を創出し、米国に140億ドルの経済効果をもたらすことになる」と述べた。

ロイターは今週、トランプ政権が同買収を承認した場合、日鉄がUSスチールの事業に140億ドルの投資を計画していると報じていた。

トランプ氏は、この投資の大部分は今後14カ月の間に行われると述べた。30日にはペンシルベニア州ピッツバーグにあるUSスチールで大規模な集会を開くとした。

USスチールは米国にとどまり、これまで通りピッツバーグを拠点とする見通し。

同社は声明を出し、トランプ大統領のリーダーシップを称賛した。「USスチールは米企業であり続け、巨額の投資や新しい技術、多くの雇用をもたらす日鉄とのパートナーシップを通じて、より大きく、より強く成長する」とコメントした。

日鉄は「パートナーシップを承認した大統領の英断に心より敬意を表する」との声明を発表した。

トランプ氏の投稿は買収承認と市場に受け止められ、23日の米株式市場でUSスチールの株価は21%急騰した。引け後の時間外取引でも上昇を続け、株価は54ドルと、買収価格の55ドルに迫った。

ペンシルベニア州選出の上院議員デーブ・マコーミック氏も日鉄とUSスチールの「パートナーシップ」との表現を使い、「米国とUSスチールにとって大きな勝利」になったと述べた。州内の1万1000人以上の雇用を守り、追加で1万4000人以上の雇用創出に資すると述べた。

日鉄による買収に反対してきた全米鉄鋼労働組合は22日もトランプ大統領に対し、買収を阻止するよう要請していた。

24日付の日経新聞電子版はホワイトハウス関係者の話として、トランプ米大統領は23日、日鉄によるUSスチールの買収を承認したと報じていた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英、中東に戦闘機を移動 地域の安全保障支援へ=スタ

ワールド

イスラエル、イランガス田にも攻撃 応酬続く 米・イ

ワールド

米首都で34年ぶり軍事パレード、トランプ氏誕生日 

ワールド

米ミネソタで州議員が銃撃受け死亡、容疑者逃走中 知
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生きる力」が生んだ「現代医学の奇跡」とは?
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    メーガン妃の「下品なダンス」炎上で「王室イメージ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中