ニュース速報
ワールド
国際人権団体、ウクライナ軍の対人地雷使用巡り同国に調査要請
1月31日、ヒューマン・ライツ・ウオッチは、ロシア軍がウクライナ・イジュームを占領していた際、ウクライナ軍が同市周辺で数千個のロケット発射型対人地雷を使用した可能性について調査するようウクライナに求めた。写真はイジューム近郊で昨年10月撮影(2023年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)
[ニューヨーク 31日 ロイター] - 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は31日、ロシア軍がウクライナ東部の都市イジュームを占領していた際、ウクライナ軍が同市周辺で数千個のロケット発射型対人地雷を使用した可能性について調査するようウクライナに求めた。
HRWは昨年9月19日から10月9日の間にイジュームで調査を実施。地雷使用の目撃者、地雷の被害者、医師など100人以上に聞き取りを行った結果、同市と周辺の9地域で空中散布式の対人地雷(PFM)の使用を確認し、これらの地雷による民間人11人の犠牲を確認したという。HRWは、9地域はロシア軍の拠点近くであり、ロシア兵が標的だったことを示唆していると指摘した。
HRWの武器部門責任者のスティーブ・グース氏は「ウクライナ軍はイジュームの広範囲に地雷を撒いたようで、民間人に犠牲者を出し、継続的なリスクをもたらしている」と指摘。「ロシア軍はウクライナ全土で対人地雷を繰り返し使用し、残虐行為を行ってきたが、だからといってウクライナによるこの禁止兵器の使用を正当化することはできない」と述べた。
ウクライナは「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びにその廃棄に関する条約」(1997年)の締約国。ロシアはこれに加盟していない。
ロシア政府は、民間人を標的にしたことや戦争犯罪を犯したことを否定している。
HRWは、対人地雷は民間人と戦闘員を区別できないため、その使用も国際人道法に違反すると主張している。
HRWによると、ウクライナ国防省高官はウクライナ軍は国際人道法と1997年の対人地雷条約を厳格に順守していると説明したが、イジューム周辺での対人地雷の使用に関する具体的な質問には一切答えず、「ウクライナの使用兵器に関する情報は戦争終結前にコメントするものではない」と述べたという。