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欧州ガス事情、この冬は最悪回避も来年は深刻化=資源商社幹部
10月4日、資源商社トラフィギュラのベン・ラッコック石油取引共同責任者は、次の冬については天然ガスが大きく不足し、事態が悪化する恐れがあると警告した。写真は5月、ポーランド・ブウォツワベク近郊のガス圧縮施設(2022年 ロイター/Kacper Pempel)
[ロンドン 4日 ロイター] - シンガポール系の世界的資源商社トラフィギュラのベン・ラッコック石油取引共同責任者は4日、この冬の欧州の天然ガス状況は消費削減努力や十分な在庫によって最悪をうまく免れるかもしれないとする一方、次の冬については天然ガスが大きく不足し、事態が悪化する恐れがあると警告した。ロンドンでのエネルギー業界イベントで発言した。
ラッコック氏によると、この冬は天然ガスの産業需要が25─35%節減されることや、在庫が十分なことに加え、液化天然ガス(LNG)の流入も助けになる。しかし、その次の冬にはロシアの欧州向け天然ガスが途絶する可能性もあり、在庫も大きく目減りし、天然ガスを大量に追加補充する必要が生じるという。LNGの再ガス化を進める大規模なインフラ構築も間に合わないと指摘した。
ラッコック氏は「ロシアの状況が変わらなければ、事態が解決に向かうようには見えない」と語った。
会議ではスイスの石油商社ビトルやガンバーの最高経営責任者(CEO)らからも同様の指摘が相次いだ。現状の欧州のLNGインフラではロシアのガス供給がなくなる分を穴埋めすることができないため、ガス価格が高止まりすることになるとの見通しも共有された。