ニュース速報
ワールド
イタリア総選挙、右派連合が圧勝 初の女性首相誕生の公算
9月25日、25日投開票されたイタリア上下院総選挙の出口調査によると、野党右派「イタリアの同胞(FDI)」率いる右派連合が過半数を獲得する見通しとなった。写真はローマで投票するFDIのメローニ党首(2022年 ロイター/Yara Nardi)
「ローマ 25日 ロイター] - 25日投開票されたイタリア上下院総選挙の暫定開票結果によると、野党右派「イタリアの同胞(FDI)」率いる右派連合が過半数を獲得し勝利したもよう。FDIのジョルジャ・メローニ党首(45)が同国初の女性首相に就任し、第2次世界大戦以降で最も右派的な政権が発足する見通しとなった。
メローニ氏は「われわれが政権運営を任されたのならば全てのイタリア人のために政権を運営し、分断の原因ではなく人々を結び付ける要因に焦点を当て、国民の結束を目指す」と述べ、勝利宣言した。
同氏は過去にユーロに懐疑的な見解を示してる上、FDIと連合を組む他の2党がロシアに関して明確な立場を示していないため、欧州諸国や金融市場はメローニ氏の当初の対応に注目するとみられる。
開票率が50%を超えた時点での推定得票率はFDIが約26%と、2018年の前回選挙のわずか4%を大きく上回り、第1党に躍進する見通しとなった。
一方で連合を組む2党はさえない結果に終わった。サルビーニ書記長率いる「同盟」は得票率が約9%と、前回の17%超から急低下。ベルルスコーニ元首相率いる「フォルツァ・イタリア」も約8%にとどまった。
3党の右派連合は上下両院で安定多数を確保するとみられているが、さまざまな問題について所属議員の見解の隔たりが大きく、埋めるのは難しい可能性がある。ロシア問題では、サルビーニ氏は西側諸国の対ロシア制裁に疑問を呈しており、同氏とベルルスコーニ氏はともにロシアのプーチン大統領を過去に称賛してきた。
メローニ氏はFDIを保守主流派と位置付け、西側諸国の対ウクライナ政策を支持するとともに、財政政策では過度なリスクを取らないと公約している。
格付け会社ムーディーズのシニアバイスプレジデント、サラ・カールソン氏は、次期政権は「マイナス成長、資金調達コスト、インフレ動向の悪影響を受けやすい」公的債務の管理を担うことになると指摘した。