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米CDC、新たな住宅立ち退き猶予措置を発表 60日間有効
米上院民主党トップのシューマー院内総務は8月3日、米疾病対策センター(CDC)が住宅立ち退き猶予措置を60日延長したと明らかにした。写真は貸家の表示、バージニア州で6月撮影(2021年 ロイター/Will Dunham)
[ワシントン 3日 ロイター] - 米疾病対策センター(CDC)は3日、新型コロナウイルス感染予防策として、感染率が高い地域を対象に新たな住宅立ち退き猶予措置を導入すると発表した。有効期間は10月3日まで。
米国の郡の約8割、総人口の約9割が対象となる。
CDCのワレンスキー所長は「デルタ変異株の出現で米国内の市中感染が急拡大しており、ワクチン未接種者をはじめ多くの米国人のリスクが高まっている」と指摘。「立ち退き猶予は、人々にコロナ感染が広がる密な場所を避け、自宅にとどまらせるのに適切な措置だ」と強調した。
新たな措置によって多数の家賃滞納者が強制退去から守られることになるが、7月末で失効した前回の全米を対象にした住宅立ち退き猶予措置に比べると、適用範囲は限定的となる。
CDCは、バイデン大統領から住宅立ち退き猶予措置を従来より規模を縮小して復活させるよう求められていた。だが、最高裁が最近示した判断を理由に、法的権限がないとして今週初めに拒否していた。
バイデン氏は、議会が既に承認した家賃支援金の未使用分400億ドル超を賃借人や家主に配布する時間を確保するために、立ち退き猶予措置の延長を求めていた。
アスペン研究所などの調査によると、現在、米国で家賃を滞納しているのは650万世帯の1500万人超に上り、滞納額は合計200億ドルを超えている。
最高裁は今年6月、猶予措置の延長には議会の承認が必要との判断を示していた。バイデン氏は3日、新たな猶予措置には法的リスクが伴うと認めたが、法廷で検証される間、賃借人に「時間的猶予」を与え得るとの見方を示した。
CDCは昨年9月、新型コロナウイルスの感染拡大阻止とパンデミック(世界的大流行)下でのホームレス防止のため、住宅立ち退き猶予措置を導入。
議会で同措置を延長する取り組みが頓挫したのを受け、上院民主党トップのシューマー院内総務とペロシ下院議長(ともに民主党)は同措置を再導入するよう政権側に求めていた。
サキ大統領報道官によると、バイデン氏はまた、州・地方政府に対し、少なくとも2カ月間は立ち退き禁止令を延長あるいは新たに発動するよう呼び掛けた。ニューヨークやカリフォルニアなど一部の州は既に、州の立ち退き禁止令の延長を決めている。