ニュース速報

ワールド

カナダで約750の墓標のない墓発見、先住民寄宿学校の跡地

2021年06月25日(金)16時03分

6月24日、 カナダ中西部サスカチワン州のカウエセス先住民居住区の先住民団体は24日、居住区の先住民寄宿学校の跡地から墓標のない推定751人分の墓が発掘で見つかったと発表した。 写真bは18日、サスカチワン州の寄宿学校跡地を調べる人々(2021年 ロイター/Federation of Sovereign Indigenous Nations)

[24日 ロイター] - カナダ中西部サスカチワン州のカウエセス先住民居住区の先住民団体は24日、居住区の先住民寄宿学校の跡地から墓標のない推定751人分の墓が発掘で見つかったと発表した。

数週間前には、西部ブリティッシュコロンビア州カムループスの寄宿学校跡地で215人分の子どもの遺骨が見つかっていたが、これを大きく上回る規模。

カナダでは1831年から1996年まで差別と連邦政府によるキリスト教文化への同化政策に基づき、先住民の子ども約15万人が家族から引き離され、強制的にカトリック寄宿学校に入れられた。子供たちは栄養失調になったり、身体ないし性的虐待を受けたりしたとされる。

トルドー首相は「強い悲しみ」を表明。先住民たちに向けて「この苦痛とトラウマはカナダが責任を負わねばらない」と語った。

先住民団体の代表者は記者団に、今回発見されたうちの何人分が子どもたちの墓なのかは不明だと述べた。墓石を撤去したのは学校を運営していた教会だとし、「墓石を捨て去ることは、この国では犯罪に当たる」と糾弾した。別の先住民代表は「今回の発見は完全に単なる手始めだ」と述べた。

地元のカトリック大司教区の広報担当者によると、大司教区は2019年に、今回の学校跡地を発掘し墓を突き止めるための7万カナダドル(5万6813ドル)の資金を先住民団体に提供。同団体は今月2日に本格的な現地調査を開始していた。

カナダ政府が設置した調査委員会はこれまでに、寄宿学校に強制収容した当時の政策を「文化的ジェノサイド」とする報告書を発表している。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン攻撃と関係筋、イスファハン上空に

ビジネス

午後3時のドルは154円前半、中東リスクにらみ乱高

ビジネス

日産、24年3月期業績予想を下方修正 販売台数が見

ビジネス

日経平均は大幅反落、1000円超安で今年最大の下げ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中