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鉄鉱石先物が一時5%超下落、季節要因で中国の鉄筋需要が低迷
6月21日、アジア市場で、鉄鉱石先物が約2週間ぶりの安値に下落した。季節要因により、中国国内で建設活動のペースが鈍化するとの見方が広がり、市場心理を圧迫している。写真は労働者が溶鉄を型に流し込む様子。写真は江蘇省で2019年7月撮影(2021年 ロイター)
[21日 ロイター] - 21日のアジア市場で、鉄鉱石先物が約2週間ぶりの安値に下落した。季節要因により、中国国内で建設活動のペースが鈍化するとの見方が広がり、市場心理を圧迫している。
中国・大連商品取引所の中心限月9月限は5.2%安の1トン=1165元(180.57ドル)と、6月10日以来の安値。
シンガポール取引所の中心限月7月限は2.9%安の1トン=200.90ドルで、6月9日以来の安値。
ナビゲート・コモディティーズ(シンガポール)のマネジングディレクター、アティラ・ウィドネル氏は「季節要因により、中国で建設用の鉄鋼需要が鈍化する時期が到来したと言って差し支えないだろう。国内各地で鉄鋼メーカーと倉庫の鉄筋在庫が積み上がっている」と述べた。
中国の多くの地域では、雨季で建設活動が減るため、鉄鋼メーカーによる鉄鉱石の購入ペースが鈍化する見通し。
上海先物取引所の鉄筋先物も一時2.4%下落した。
同氏は「当社の下半期の需給ファンダメンタルズの予測を踏まえると、想定外のことが起きない限り、理論上は中国の鉄筋指標価格の下落が始まる」とし「(鉄筋価格が下落すれば)利益率も下がり、(鉄鉱石の)上昇余地が狭まる公算が大きい」と述べた。