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IFO、今年のドイツ経済成長予測を3.3%に下方修正 供給制約で
独IFO経済研究所は16日、今年のドイツの経済成長率予想を3.3%に下方修正した。写真はロックダウン下のハンブルク。5月撮影(2021年 ロイター/Fabian Bimmer)
[ベルリン 16日 ロイター] - 独IFO経済研究所は16日、今年のドイツの経済成長率予想を3.3%に下方修正した。製造業の供給面の制約で鉱工業生産が低迷するとしている。
3月時点の予測から0.4%ポイント下方修正した。
来年の経済成長率の予測は3.2%から4.3%に上方修正した。
IFOのエコノミスト、ティモ・ボルマーショイザー氏は「短期的には、特に一次産品の納入を巡る制約が経済活動を抑制している」と指摘。
「経済再開に伴う景気回復自体は力強いが、春に予想していたよりも少し押し戻されている」と述べた。
ドイツの自動車大手ダイムラーとフォルクスワーゲン(VW)は15日、半導体不足の影響により、一部の工場で労働時間を短縮することを明らかにした。
一方、物価は、新型コロナ禍からの景気回復や、半導体、木材など素材の不足を背景に上昇する見通しで、IFOは今年のインフレ率を2.6%と予測した。来年は1.9%に鈍化する見通し。昨年のインフレ率は0.6%だった。
力強い回復で内需と輸入は増加する公算が大きく、今年と来年の輸入は輸出を上回る見通しという。
これにより、今年の経常黒字は国内総生産(GDP)比5.8%、来年は4.9%に縮小する見通し。欧州連合(EU)が目安とする6%を久々に下回るという。
IFOの経済成長予測は、ドイツ連銀の予測を下回っている。ドイツ連銀は、今年の経済成長率を3.7%、来年を5.2%と予測している。
IFOは、連銀とは異なり、家計支出の寄与度はそれほど高まらないと予想。多くの消費者がロックダウン(都市封鎖)中に積み立てた貯蓄を全て使う可能性は低いとの見方を示した。