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公衆衛生活動家、G7ワクチン提供「野心に欠ける」
[カービスベイ(英イングランド) 11日 ロイター] - 公衆衛生や貧困絶滅の活動家は11日、主要7カ国(G7)が10億回分の新型コロナウイルスワクチンを低所得国に無償提供する計画について、野心に欠け進行が遅すぎると述べた。欧米諸国が今のところ、今世紀最大のパンデミック(世界的大流行)に終止符を打つ力を持ち合わせていないことを示すと主張した。
バイデン米大統領が米製薬大手ファイザーの新型コロナワクチン5億回分を提供すると発表した後、ジョンソン英首相は1年以内に最低1億回分を提供すると述べた。カナダは最大1億回分を提供すると発表する見込みだ。
こうした中、活動家は、ワクチンの寄付が正しい方向への一歩であるものの、新型コロナウイルスとの闘いにどれだけの労力が必要かを把握していないと指摘した。
ロンドンに拠点を置く科学衛生慈善団体で働くアレックス・ハリス氏は、先進国の試みが十分でないと述べた。「世界は今年のどこかの時点ではなく今現在ワクチンを必要としている。この歴史的な時期にG7は、この危機の対応に要する政治的な指導力を発揮しなければならない」と語った。
英イングランドの海辺のリゾート地カービスベイで11日から3日間の日程で開催されるG7首脳会談(サミット)では、パンデミックに終止符を打つ対策が議題となる。
英国のラーブ外相は、一部の国が影響力を拡大するためにワクチン提供を外交手段として使っていると指摘した。英国と米国はワクチンを無条件で提供するとしている。
大半の人がワクチンを2回接種する必要があり、変異株に対応するために追加の接種も必要となる可能性がある。活動家は、世界のリーダーが一段と努力し、今よりずっと速く計画を推し進めなければならないと主張した。国際非政府組織オックスファムで健康政策を担当するアナ・マリオット氏は、「10億回分のワクチンの寄付がG7首脳の限界であるならば、このサミットは失敗だ」と指摘した。パンデミックを終えるには世界が110億回分のワクチンを必要としていると述べた。