ニュース速報

ワールド

豪アフターペイ、米上場を検討 1─3月期に北米事業が最大市場に

2021年04月20日(火)16時22分

[20日 ロイター] - 豪アフターペイは20日、米国市場への上場を検討していると明らかにした。同社は北米事業が最大の市場に成長している。

関係筋によると、ゴールドマン・サックスが上場に向けたアドバイザーに起用された。ゴールドマンはコメントを控えた。

同社は、メルボルンに本社を置き、後払い決済サービスを提供するフィンテック企業。直近の推計企業価値は365億1000万豪ドル(283億3000万米ドル)。ここ1年で豪州で最も価値のある株式トップ20にランクインした。

この日発表した第3・四半期(1─3月)決算では北米の売上高が3倍近くに増加し、オーストラリア国内の売上高を上回った。総決済額は52億豪ドルに倍増した。積極的なマーケティング戦略や新型コロナウイルス禍のオンライン販売の好調が背景にある。

米市場への上場により、同社は成長をより重視する投資家基盤を得ることになり、事業拡大に向けた資金が調達しやすくなる可能性がある。

モルナー共同最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、米市場上場は「魅力的な機会」を提供する可能性があると述べた。

「米上場を検討する上で優先される点は、業績への寄与度が最大となった市場に進出することで、営業力が拡大するかや適切な投資家基盤を得られるかどうかだ」とした。

同社は本社を豪州に維持する計画だとしたが、米市場に上場した場合、豪市場との二重上場になるかは明らかにしていない。具体的な時期も明らかにしておらず、「米上場に関する取締役会のスケジュールは決まっていない。上場は市場の状況や米取引所の承認、上場要件を満たせるかなどに左右される」と説明している。

同社のアクティブユーザーは12月末時点から約11%増加し、1460万人に達した。北米の伸びが最大だった。

北米では、アファーム・ホールディングスやジップなどと競合する。先月には欧州の一部地域でサービスを開始。アジア進出も計画している。

ダット・キャピタルの創業者エマニュエル・ダット氏は、アファームの評価額170億米ドルは450万人のアクティブユーザーに基づくものだと指摘。アフターペイはアクティブユーザーが1460万人で、評価額は470億米ドルを超えることが示唆されているとの見方を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン大統領、マイクロンへの補助金発表へ 最大6

ワールド

米国務長官、上海市トップと会談 「公平な競争の場を

ビジネス

英バークレイズ、第1四半期は12%減益 トレーディ

ビジネス

ECB、賃金やサービスインフレを注視=シュナーベル
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中