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米下院、選挙改革法案を可決 上院通過は不透明
3月3日、米下院は、民主党が重要法案の1つに掲げる包括的な選挙改革法案を可決した。写真は米連邦議会議事堂。ワシントンで昨年12月撮影(2021年 ロイター/Ken Cedeno)
[ワシントン 3日 ロイター] - 米下院は3日、民主党が重要法案の1つに掲げる包括的な選挙改革法案を可決した。投票手続きを見直すとともに、州が行っている下院選挙区の区割り作業を独立した委員会に引き継ぐ内容が盛り込まれた。
採決は賛成220、反対210と、おおむね党派に沿った結果となった。
バイデン大統領は、法案が上下院を通過すれば署名する意向を示している。
だが上院では、フィリバスター(議事妨害)を克服するために民主党の全48議員と、同党と連携する無所属2人に加え、共和党から10人の支持が必要になることから、難航が予想される。
民主党は選挙改革法案について、投票のハードルを下げ、米政治制度をより民主的で有権者の声を反映したものにするために必要だとしている。
一方の共和党は、同法案は州の権限を奪うもので、不正への対策が不十分だと主張。保守系シンクタンクのヘリテージ財団は、法案に反対するよう議員に呼び掛けている。
米国勢調査局は、2022年中間選挙に向けて各州が下院選挙区の区割り見直しに使用する人口データを今年提供する見通しであることから、法案は特に重要な意味を持つ。中間選挙で下院は全議席が改選となる。
区割りの基準やプロセスは州ごとに異なるが、全米州議会議員連盟によると、33州では州議会が少なくとも区割りプロセスの一部をコントロールしている。
州議会を握る政党はしばしば、自らの党に有利になるよう区割りを実施してきた。黒人有権者層を念頭に区割りが実施された州もある。