ニュース速報

ワールド

コロナで帰国困難な外国人に一時的な就労を許可=出入国管理庁

2020年12月01日(火)13時09分

 出入国在留管理庁は、新型コロナウイルスの影響で帰国が困難になっている在留外国人が生計を維持するため、就労資格がない人でも一時的に働けるようにする措置を1日から実施すると発表した。写真は新型コロナの影響で閑散とした成田空港。11月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 1日 ロイター] - 出入国在留管理庁は、新型コロナウイルスの影響で帰国が困難になっている在留外国人が生計を維持するため、就労資格がない人でも一時的に働けるようにする措置を1日から実施すると発表した。

コロナウイルスの感染拡大防止で多くの国が入国制限を行っているなか、観光や商用などで日本を訪れた外国人が母国に帰れず、生活が困窮するケースが増えている。

今回の措置により、地域の出入国管理局に申請書を提出すれば、短期滞在(90日以内)で在留する外国人は週28時間以内のアルバイトが可能となるほか、技能実習で在留している外国人は、「特定活動」での就労が可能となる。

出入国管理庁では新たな措置について、SNSなどで在留外国人に周知を図るとしている。実施期間は未定で、「今後の状況による」という。

入管法に詳しく在留外国人を支援している児玉晃一弁護士はこの措置について「ないよりはいいが、全く不十分」だと指摘する。健康保険や生活保護などの対象とはならない上、多くの日本人が解雇されたり飲食店が廃業するなか、外国人が仕事を見つけることは困難だと同氏は述べる。

また、元入管職員で行政書士の木下洋一氏は「帰国できない外国人が働けず、滞在費もかさむため、入管としてはこうせざるを得なかったのだろうが、遅すぎた。すでに一部の国では入国規制が緩和されている。もっと早くこうした措置をとるべきだった」との見方を示した。

(宮崎亜巳)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中