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OPECプラスが会合を3日に延期 生産体制巡り見解に相違=関係筋

2020年12月01日(火)08時52分

アルジェリアのアッタール・エネルギー相は30日、この日の石油輸出国機構(OPEC)会合で、現行の減産規模を来年3月末まで延長すべきとの考えで一致したと明らかにした(2020年 ロイター/Ramzi Boudina)

[ドバイ/ロンドン/モスクワ 30日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は、2021年の生産体制を話し合う会合を1日から3日に延期した。3人の関係筋が30日、明らかにした。

新型コロナウイルス流行で原油需要が低迷する中、適切な生産水準について主要産油国の間でなお見解の相違があるという。

OPEC加盟国は30日に会合を開き、現行の減産規模を来年3月末まで延長することで合意に近づいた。これにロシアなども加えたOPECプラス会合は1日1300GMT(日本時間午後10時)に予定されていた。

OPECプラスは来年1月から減産幅を日量200万バレル縮小する方針だったが、関係筋によると、新型コロナ流行が原油需要を抑える中、現行の日量770万バレルの協調減産を21年の当初の数カ月は継続する方向で検討を進めてきた。サウジアラビアもこの案を支持しているという。

ただOPECプラスが閣僚会議を前に29日に実施した予備協議は物別れ。関係筋は、ロシアが来年1月からOPECプラスが毎月日量50万バレルずつ増産することを提案したとしている。

また、OPEC加盟のアラブ首長国連邦(UAE)はメンバー国が減産合意を順守する場合のみ、減産幅維持を支持する立場を示唆したため、協議の先行きを巡る不透明感がさらに高まった。

このほか、30日のOPEC会合でサウジアラビアのエネルギー相を務めるアブドルアジズ王子が、OPEC合同閣僚監視委員会(JMMC)の共同議長を辞任すると表明したことが、複数のOPEC関係筋の話で明らかになった。辞任の理由は明らかになっていない。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ロシアとOPECとの見解の相違は今年初めほど大きくないとしながらも、OPECプラス会合を前にプーチン大統領がサウジアラビア政府指導部と電話会談を行う計画はないと表明した。これまではこうした電話会談が交渉妥結につながるケースがあった。

ドイツ銀行はリポートで、OPECが現行の減産体制継続で合意できない場合、北海ブレント原油先物は最大で10%急落する可能性があると予想。

原油相場は先週、新型コロナワクチンやOPECプラスの増産見送りへの期待感から大幅に上昇した。

*内容を追加しました。

ロイター
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