ニュース速報

ワールド

原油先物は下落、米景気対策に期待も新型コロナが圧迫

2020年09月29日(火)11時52分

 9月29日 アジア時間の原油先物は下落。米景気対策を巡る合意が近づいているとの期待が出ているが、新型コロナウイルスの流行を受けた需要に対する懸念が重しとなっている。写真は2019年11月、米テキサス州ラビング郡で撮影(2020年 ロイター/Angus Mordant)

[メルボルン 29日 ロイター] - アジア時間の原油先物は下落。米景気対策を巡る合意が近づいているとの期待が出ているが、新型コロナウイルスの流行を受けた需要に対する懸念が重しとなっている。

0120GMT(日本時間午前10時20分)現在、米WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は0.17ドル(0.4%)安の1バレル=40.43ドル。北海ブレント先物は0.17ドル(0.4%)安の42.26ドル。

WTIと北海ブレントは前日1%値上がりした。

ペロシ米下院議長(民主党)は28日、民主党議員らが新たに2兆2000億ドル規模の新型コロナウイルス経済対策法案を用意したとし、同案は経済支援コストを軽減するための妥協案だと明らかにした。[nL4N2GP4AH]

アクシ・コープのマーケット・ストラテジスト、スティーブン・イネス氏は「米景気対策が成立すれば、米国の石油需要拡大に大きく寄与するだろう。現在は特に重大な局面にあり、石油市場が9月前の心理に戻る可能性もある」と述べた。

WTIと北海ブレントは、燃料需要拡大と主要産油国の減産順守に対する期待から、8月に3月上旬以来の高値を付けたが、その後は需要に対する懸念で約3ドル下落している。

カナダでは人口の最も多い2州を中心に、新型コロナウイルスの新規感染者が再び急増している。ケベック州は28日、一部地域でバーやレストランの営業を制限すると発表。オンタリオ州の首相は「より複雑」な感染第2波に警戒感を示した。[nL4N2GP4BG]

日本の8月の原油輸入は約26%減少した。

市場は、米国の需要動向を探る手掛かりとして、29日発表の米石油協会(API)の統計と30日発表の米エネルギー情報局(EIA)の統計に注目している。

ロイターのアナリスト調査によると、今月25日までの1週間の米原油在庫の予想は140万バレル増。ガソリン在庫の予想は160万バレル減、留出油在庫の予想は80万バレル減。

供給面では、旧ソ連のアゼルバイジャンとアルメニアの間で勃発したナゴルノカラバフ地域を巡る戦闘に注目が集まっている。アナリストは、対立が激化すれば、アゼルバイジャンからの石油・ガス輸出に影響が出る可能性があると指摘している。[nL4N2GP3QZ]

アゼルバイジャンの主要石油パイプラインは、ジョージア(グルジア)を経由してトルコの地中海沿岸に至る。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中