ニュース速報

ワールド

菅首相が国連演説、途上国コロナ支援や来夏の五輪開催へ決意表明

2020年09月26日(土)03時36分

菅義偉首相は26日朝、ビデオ形式で参加する国連総会の一般討論演説で、新型コロナワクチン開発や途上国支援、国連の重要性などを訴えるとともに、21年の東京五輪・パラリンピック開催に向けた決意を示す。写真は16日、都内で撮影(2020年 ロイター/ Carl Court/Pool via REUTERS/File Photo)

[東京 26日 ロイター] - 菅義偉首相は26日朝(日本時間)、ビデオ形式で参加する国連総会の一般討論演説で、新型コロナウイルスのワクチン開発や途上国支援、国連の重要性などを訴えるとともに、2021年の東京五輪・パラリンピック開催に向けた決意を示す。

国連総会は今年、新型コロナウイルスへの対策でオンライン形式で開催される。

<対コロナ特許権プール提案>

菅首相は新型コロナ感染症の拡大について「世界の人々の命・生活・尊厳、すなわち人間の安全保障に対する危機」との認識を示し、「今回の危機に際し、『誰の健康も取り残さない』との目標を掲げることが重要。こうした目標を皆さんと共有したい」と訴える。

このため「新型コロナから命を守るため、治療薬・ワクチン・診断の開発と、途上国を含めた公平なアクセスの確保を全面的に支援する」と述べ、特許権プールの枠組みを提案すると表明する。

その一環として、すでに打ち出してきている対外支援策に関連し、「1700億円を超える医療・保険分野での対外支援を実施する」とし、さらに「途上国の経済活動を支えるため、2年間で最大5000億円の緊急支援円借款を実施している」と説明する。

<安保理改革など国連改革訴える>

米中対立激化が懸念される中、「国連と多国間主義の重要性」を改めて強調する。国連には、中立・公正なガバナンスが一層求められているとの認識を示し、21世紀の現実を反映した形での「安保理改革を含め、国連改革は待ったなしの課題」と述べる。同時に「国連平和維持活動(PKO)や平和構築における国連の取り組みは引き続き不可欠」と指摘する。

海洋進出を進める中国などを念頭に「法の支配への挑戦を許してはならない」との見解を示したうえで、「日本は、世界的な法の支配に基づく地域の平和と繁栄の礎である『自由で開かれたインド太平洋』を推進する」と述べる。

対北朝鮮では「拉致問題の解決には一刻の猶予もない。日本として、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指す考えに変わりはない」との従来見解を繰り返す。

最後に「来年の夏、人類が疫病に打ち勝った証として、東京オリンピック・パラリンピック大会を開催する」と決意を表明する。

(竹本能文※)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米テスラ、従業員の解雇費用に3億5000万ドル超計

ワールド

中国の産業スパイ活動に警戒すべき、独情報機関が国内

ワールド

バイデン氏、ウクライナ支援法案に署名 数時間以内に

ビジネス

米耐久財コア受注、3月は0.2%増 第1四半期の設
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 2

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 3

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」の理由...関係者も見落とした「冷徹な市場のルール」

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    コロナ禍と東京五輪を挟んだ6年ぶりの訪問で、「新し…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中