ニュース速報

ワールド

オーストラリア、感染第2波への警戒高まる 各州が対策強化

2020年07月14日(火)16時50分

 7月14日、オーストラリアでは、ビクトリア州やニューサウスウェールズ(NSW)州など国内南東部で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、感染が他の地域へ広がることを警戒した州当局が対策強化に動いている。写真はベンチを拭く保健衛生担当者。メルボルンで10日撮影(2020年 ロイター/Sandra Sanders)

[シドニー 14日 ロイター] - オーストラリアでは、ビクトリア州やニューサウスウェールズ(NSW)州など国内南東部で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、感染が他の地域へ広がることを警戒した州当局が対策強化に動いている。

南オーストラリア州など2州が他州をまたぐ移動規制の延長を決めたほか、人口が最多のNSW州は大規模パブに入店制限を導入した。

感染者の急増を受けて州都メルボルンが先週、再度ロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったビクトリア州では、直近の1日当たり感染者が270人を記録し、現在感染している人は2000人近くに達した。ビクトリア州当局者は、感染のピークはまだ越していないとの見方を示している。

オーストラリアは厳しい規制を迅速に導入して、他国のような深刻な感染状況を回避したが、ビクトリア州の市中感染の拡大やNSW州の新規感染者の増加を受けて、他の州は警戒を強めている。現在、豪国内の感染者は累計約1万人、死者は110人となっている。

ビクトリア州のサットン主席医療官はメルボルンで記者団に「今週危機を脱すると期待しているが、保証はない」と語った。

北部準州当局は今週州境を再開するにあたり、NSWからの入境を認めるか15日に決定するとしている。

南オーストラリア州は7月20日に予定していたNSW州との州境再開を棚上げした。クイーンズランド州もシドニー西部の郊外2地域を訪れた人に2週間の隔離措置を義務付けた。

NSW州では、ビクトリア州での感染に関連した感染が数十件出ているほか、シドニー南西部のクロスローズ・ホテルで集団感染が確認された。これを受けて当局は、パブに入店できる人の数を300人に制限する対策を導入した。集団感染が発生したとみられる7月3日、クロスローズ・ホテルには600人ほどの人が訪れていたとみられる。

NSW州のベレジクリアン首相は、屋内で人々が着席しないで行うアクティビティーは感染のリスクを高めると指摘した。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中