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多国間協定と二国間協定、両立は利益相反に=USTR代表

2020年07月10日(金)05時45分

ライトハイザー米通商代表部代表(右)は9日、国際貿易の管理には多国間協定か二国間協定のいずれかが必要だが、双方の両立は利益相反になるとの考えを示した。ワシントンで8日撮影(2020年 ロイター/KEVIN LAMARQUE)

[ワシントン 9日 ロイター] - ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は9日、国際貿易の管理には多国間協定か二国間協定のいずれかが必要だが、双方の両立は利益相反になるとの考えを示した。

ロンドンに拠点を置くシンクタンク、王立国際問題研究所(チャタムハウス)が主催したウェブキャストイベントで、欧州では約77の自由貿易協定(FTA)が乱立しており「多国間貿易システムへの最大の課題の一つ」になっていると指摘した。

また世界貿易機関(WTO)が目指す多国間貿易システムを復活させるためには、世界の関税率を「リセット」し、WTO訴訟を通じた貿易ルールの更新に終止符を打つほか、中国の国家主導による経済モデルの問題や、製品・食品の安全性基準といった非関税障壁への効果的な対処方法を新たなに打ち立てる必要があると訴えた。

その上で「私の意見ではFTAは撤廃すべきで、多国間システムか二国間システムの束を作るべき」と主張。同時に多国間主義を公言しながら二国間主義を支持することはできないとした。

ライトハイザー氏やトランプ大統領は多国間協定よりも二国間協定の方が国益にかなうとしている。トランプ氏は2017年の就任直後に環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を表明している。

ロイター
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